約 3,997,064 件
https://w.atwiki.jp/kentarosu/pages/30.html
page 6 5 4 3 2 1 写真アルバムへ 蛇口www 上のレモンティーにはちゃんとした重力がかかっています。 蛇口が変な方向に曲がってるじゃないですかwwww 弟の運動会にて。 遊んでみた さっきのレモンティーをのっけてみましたwwwww なんという違和感wwwなんという光景ww 教科書の皮むき 皆さんもやったことあるかもしれませんww 教科書にかかってるビニールみたいなものを剥がすのですww 下の紙を一緒にむいてはいけません。 これは結構健闘したか?といったところですねw
https://w.atwiki.jp/kisidaryuu/pages/43.html
出向と派遣には違いがあります。 この2つを一緒の意味であると考えている方がいるのですが ちょっと意味が違います。 別の会社で働くことになるということでは、 違いはありません。 出向は種類によって違うものの、出向元ではなく、 出向先で働くことを指します。 そして、派遣も違う場所で仕事をすることになります。 「では、一緒じゃないの?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、 労働契約が移転するかどうかがで違いがあるのです。 派遣の場合は、労働契約は派遣先に移転する ことはありません。 しかし、転籍出向の場合は、労働契約は出向元ではなく、 出向先へと完全に移転してしまうのです。 元の会社とは関係がなくなると、 考えてもらって構いません。 このように、出向と派遣では、 大きな違いがあるのです。 出向と派遣について、理解できたでしょうか。 出向はサラリーマンでも経験する可能性があるので、 どのようなものなのか把握することは大事です。 急に出向を命じられるということも、 決して少なくはありませんよ。
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/779.html
あれは確か、サフの引っ越し祝いの日だったと思う。 「ちーもそろそろ大人だから、旅にでようとおもうの」 骨付き肉を頬張り、顔を脂塗れにしているのを拭き取った口からそんなことを聞いたのは。 幼くて小さくて可愛い顔は、至極当然といわんばかりの表情を浮かべていた。 スナネズミの風習とか、そういうものだろうと私は推測し、しばらく考える。 ネズミはヒトと同じくらい、成熟が早い。 小学生低学年のころの自分と照らし合わせれば、あっさり答えは出た。微笑ましくて顔がにやけてしまう。 「そういえば、アフリカの方では成人の儀式にライオンを一人で倒すというのがあるそうです」 「大人同伴なら構わん。行く前に連絡しろ。学校をさぼるな」 「同伴はキヨちゃん以外でね」 「僕らの知ってる人じゃないと駄目だよ」 0.1秒ぐらいだった。 早過ぎて、どう考えても6歳は大人じゃないとか、なんで私除外とか言う暇もなかった。 チェルは明るくわかったーと答えて再び顔を脂塗れにしていたので、その話はそのまま終わり、それから少し時が過ぎ ***** 「で、猫ヒゲ薬局でちょっと買い過ぎちゃってさぁ~アハハウフ」 がちゃん ツー・ツー・ツー 「がっくーん!がっくぅーん!あああー」 遠話のコードに巻きつけた指を変な方向に捻り、悲鳴を上げる黒ウサギ。 足元には、効果バツグンという噂の魔法薬が入ったダンボールの山。 配送員は、うんざりした表情でその山を見つめている。 隣で待っていたネズミは、あくびをひとつした。 「すみません、もう一回使わせて下さい!え、もちろんコレクトで」 必死に大学への再通話を行おうとするウサギの横で、ネズミが周囲を見回し標識を見上げる。 「あっがっくん!あのね!いいの買ったよだから切らないで話をきいてぇー!ヒト用のもあるんだってば!」 悲鳴と哀願を織り交ぜ、必死に説得するウサギをよそに、ネズミは人差し指を上げて風の向きを見た。 「なんか、こっちよりあっちのほうが面白いカンジがする・・・かも」 そうしてチェルは小首を傾げくるりと方向転換し、三番通りの方角へ歩き出した。 ジャックはこの日、大人用女児パンツを手に入れることとなる。 ***** 「ちーがーいーますぅー誘拐じゃないですぅー姪っ子ですぅー」 「あのね、ジャックはオンナアサリの旅で、ちーはオメツケヤクなの。メイってなに?」 「え、何それ聞いてないよオレ。姪っていうのは、自分の兄弟の子供のことだよ」 「ああっちーしってる、じゃあジャックはちーのおじさんなんだ!」 「・・・おにーさんがいいなぁ」 「ウルセー!いい加減黙れ!お宅らここどこかわかってる!?ケーサツだぞ!?しばらく臭い飯食うか?」 寒風吹き込む古びた警察署その一角で、怪しさのあまり通行人から通報された垂耳黒ウサギ男とスナネズミの少女が、警察官の忍耐力耐久テストを実施していた。 真ん中のちょっと傾いだ机の上には、古びたスタンドに照らされた大量のストッキングとお子様向け以外のオモチャ。 「コレはお土産ですよ。レシーラ教会とかのオネーサマに」 きょとんとした表情のチェルをよそに、ジャックはニヤリとして指を器用にくねらせ卑猥な仕草をする。 毛に覆われ顔が、見る見る間に引きつる。 「し、し、シスターがこんなもの使うわけないだろー!!」 「ははは。ご冗談を。そりゃーもうずっこんばっこん」 「やめろぉぉぉぉ!!」 その後、身元保証人としてとある修羅場中の作家が呼ばれ、結果その作家の担当は、全裸土下座を二日と十八時間ほど行なった。 ***** 「やっぱ先生ぇって涙目で見上げられるのサイッコーだよねぇ♪」 「いやいや、頬を赤らめてポカポカ殴ってくるのもなかなか」 列車の中、出会った垂耳の紳士ととろけた会話が窓から流れてくる。 うっかりお近づきになってしまいツッコミ続けて疲労困憊のヒト少女は座席で居眠りし、好奇心と体力が無限大なネズミ少女はワクワクした顔で流れる風景を食い入るように見つめていた。 季節柄侘しい田園風景のど真ん中の中で唯一の建造物である駅に列車が止まる。 のんびりとしたアナウンスが、出発時間を告げ、短い停車時間に用を済まそうと列車内で喧騒が広がった。 ここぞとばかりに、軽食やらお土産物やらを持った小汚い子イヌ達が列車に群がってくる。 近くの貧農の子供たちは、こうした時間を利用し小銭を稼いでいるのだ。 群がる子イヌから乗客たちがフランクフルトやら果物や干物などを購入していると、不意に黒い影が差した。 黒い影は見る見るうちに大きくなり、慌しい羽音と共にワイバーンが列車の屋根に舞い降りる。 ワイバーンの手綱を屋根にかけ、ホームに小包を抱えたネコ少女が颯爽と着地した。 疲れ、汚れた顔をした子イヌ達の目に、憧れの光が灯る。 「ちわー!小熊運輸でーす!ウサギのジャックさんいらっしゃいますか?」 列車の端のほうから声を掛けていくのに気がつき、物売りたちに張り付いていたチェルがジャックの服を引き顔をしかめる。 「ジャックよばれてるよ?」 「もう、ずっこんばっこんデュフフフ え、ナニ」 慌てて顔を戻すも、つつーっと糸を引いた涎が黒い毛皮に落ちる。 「あ、行っちゃった。あのお姉ちゃん、何か用みたい」 「もうすぐ出発時間だから、行った方がいいだろうね」 爽やかに買い入れた骨付き肉を齧りながらアドバイスする紳士に、ジャックは窓枠からホームに降り立ち、左右を見渡す。 「あ、そこの少年、その黄色いの頂戴、え、50バクトゥン?ははは10でしょ」 いきなり値切りをはじめたウサギに呆れた表情を浮かべるネズミ少女の肩を叩くヒト少女。 苦労人らしく連帯感を持ったようだ。 「あ、ウサギ!もしかしてジャックさんですか?」 ホームの端から大声で問いかけるネコの少女に振り返るウサギ男。 「そーでぇっす!何々ナンパ?ヤダオレ困っちゃう☆」 「・・・お姉ちゃん、トランプしよ?ちーババ抜きも七並べも大富豪も得意だよ」 「あ、懐かしい、先生もやりましょうよ」 「小包です。ここにサインと、念の為身分を証明できるものをお持ちですか?」 わらわらと列車内から飛び出す売り子達を避けながら、もそもそと懐を探す。 車掌が安全確認を終え、列車に乗り込む。 「えーっと、旅券でいいかな。つか、え、キヨちゃんから?何だろ。てゆーかぁ、凄いね列車に追いつくなんて」 「ええ、この路線は一日一回しか列車が来ないので」 呑気に会話をしていると、列車は扉を閉め、しゅぽーと汽笛を鳴らし動き出した。 遠のく列車とその屋根に停まったままのワイバーンを見送る二人。 「メ、メルカバぁ・・・・」 がくりと両手をつくネコ少女に黒いウサギが慰めるように手を掛ける。 「仕方ない、お嬢さん次の列車(翌日停車予定)が来るまでオレと一緒に夜のエイプリルフールでも」 無駄に白い前歯が夕闇にキラリと光った。 ***** 「やぁ、助かっちゃった☆ごめんね専門違うのに。ホラこーゆーのって信頼できる業者を探すのがタイヘンじゃぁん?」 フリフリ踊る黒いウサギを前に微動だにしない店主。 色白の肌にボリュームのある白銀の髪をした少女は氷のような冷ややかさを保ち、切れ長の黒い瞳だけが時折背後を気にするように動く。 彼女は、落ちモノ商としては歳若く、商才を持っていると一部で有名だった。 「しかも美人さんでオレ大・感・激♪だから値下げして」 「これ以上、値下げたらこちらも商売にならないので無理ですね」 「ハハハご冗談を。前回払った手付けだけでもカナリの金額だし」 「無理です」 「横流ししないし、落ちコレにも宣伝しとくよ!」 「無理です」 「オレ、こう見えて顔広いから恩売っとくと得だよ?あ、面積の話じゃないからね。だから値下げ」 「無理です」 「」 「無理です」 当分の終わらなそうだということを見取ったチェルは、暇つぶしに店内を観察し始めた。 黒ネコの使用人が少女を監視しているのを意識し、外套から細長い尻尾をフリフリさせる。 頭を振れば、赤い大きなリボンがチラチラとゆれ、少し面白い。 「あっちょんぷりけ」 謎の呪文だが、わかるヒトにはわかるらしい。 大きなヒト用の甲冑や、腕が数本ある木彫りの人形、鮮やかな彩色の大皿などが飾られている。 「こういうのもらって、うれしいのかなー?」 首を傾げるが、疑問に答えるべき相手は無駄な努力をしている。 「おねぇちゃんは、こういうのほしい?」 いきなり振られた黒ネコは、一瞬ぎょっとしたように尻尾の毛を膨らませ凍りつく。 特に返答を求めていなかったチェルは、しばらくその整った顔をみつめてから、ドレスを着た人形に目をやった。 相変わらず、話は膠着状態のままだ。 「ねぇねぇ、白いおねーさん」 小さな手で店主の上着の裾を掴み、小首を傾げる。 「おねーさんは、こういうの落ちモノの事、いっぱい知ってるの?それともヒトのお友だちが教えてくれるの?」 「え、え、ヨー・・・企業秘密です」 一瞬崩れそうになったのを何とか繕いうも、畳み掛けるネズミ少女。 「あのね、ヒトのお友だちでこまってる人いる?ジャックなら、ヒトも診察できるよ。オマケしてくれるなら、病気とか、ケガも得意だし、お薬もあるから、わけっこできるよ?」 そういって、黒い鞄からヒト用と書かれた医療品を出してみせると、氷の彫刻が溶けた。 大きな尻尾が左右に大きく振られ、小さめの耳がピンと突き立つ。 「しょ、少々お待ちください。ニュクス、お茶出しておいて!ねぇヨー!」 転げるように店の奥へ走りこむ店主を見送る黒ウサギ。 その瞳は徐々に輝きを失い、ヘドロまみれの底無し沼のように暗い。 垂れた耳は、店の奥で行われている会話をキャッチしてピクピク動いているが、次第に緩慢になってきた。 「アレ、なんだろ。オレ急に買い物嫌になってきた・・・くそぅ・・・オレも、もふもふしたいっ!!」 「ちーも、もふもふしたい!」 数日後、某大学の講師の下へ『家庭の医学』が届いた。 分厚い表紙は、濡れたのか皺が寄り、文字が滲んでいたという。 ***** 息が白く濁るのを見て、ワタアメのようだと思う。 大陸最北部、エロい手、ずるい手、汚い手を使って辿り着いた国は、ウサギの王国だった。 「すごい、ジャックがいっぱいいる」 右を向いても左を向いてもウサギがいる感想を素直に述べる少女に保護者は一瞬止まる。 「でもオレが一番イケメンだよね」 「えっ」 「えっ」 しもやけ防止の耳当て帽子を被ったネズミ少女は、全身を防寒具で包み丸々としている。 押したらそのまま転がっていきそうだ。 「ねぇねぇこの帽子、耳がぶかぶか」 「オレが一番イケメンだよね?」 「あ!テレビだ!ねぇねぇイヌのおじさん、しゅざいのひとー?」 ****** アシャトーマは、国土が狭く国内全土に魔方陣が張り巡らせてある。 魔力伝導を妨げないため、常に道路は清掃員が巡回し目立つようなごみは殆ど存在せず、建物も多少の汚れはあっても他国に比べ、段違いに清潔に保たれている。 国全体に秩序があり、法則が存在している。 「ここ、迷子にならなそう」 「まぁ大声で叫べば、たいてい見つかるしねぇ」 先ほど購入したタイヤキで口周りをアンコまみれにしたチェルが呟くと、タコヤキ蛸抜きを貪っていたジャックが頷く。 昼下がりの時刻、路面電車を待つプラットホームは乗客もまばらだ。 「ほら、電車来るよ白線の内側までお下がりください」 「馬いないのにうごいてる!スゴイ!」 「はっはっはー。靴は脱がなくていいよ」 「あ、お外もみえる!」 「はっはっはジャンプしない。網の上に座るのも手摺りにぶら下るのも禁止だよー」 「みてみてーあのおうち!あのおねえちゃんはだかで首輪付けてヒトのお兄ちゃんに抱っこされてるー」 「畜生、クーデレ騎士付とかマジ格差社会っていうか、カーテン閉めろ」 ****** 「さーじゃあ次はどっちに行こうかな」 所々毟れた不揃いの髯を風に弄らせ、ズタボロになったコートを羽織った黒いウサギが遥か遠く、雪原の彼方を見つめる。 隣に佇む小さなネズミの少女は、不思議そうな表情を浮かべ尋ねた。 「ねぇねぇジャック、なんでそんなにボコボコなの?」 「それはね、初々しいイヌの女の子のメイドさんが居たんで、お近づきになろうとしたら実はオオカミの戦士だったからだよ」 ちなみに周囲からはただのSMプレイのだと思われた。 「それじゃあ、なんでそんなにお土産物いっぱい買ったの?」 厳重な国境線、重厚な城門の一角には、配送業者が暖をとっているのが遠くに見える。 その近くには配送受付カウンター。長い列を見る限り、まだ順番が回らないようだ。 「それはね、オレがキヨちゃんにちーちゃんと行くって、言い忘れたからだよ」 「ちー、パパにはジャックと行くって言ったよ?」 先日届いた手紙は、業務連絡と保護下にある少女の注意事項、そして一行の警告。 「大惨事夫婦喧嘩が勃発したらしいよ」 「次で四回目だね」 その頃、人のいいグィンガム助教授は、講師のオティス先生の愚痴を聞いていたが、途中からのろけになったので、おごるつもりを割り勘に変更した。 ***** ありったけーのおもいをむねにー♪ 賑やかな喧騒、薫り高い香料、楽器を爪弾く音と共に、澄んだ歌声が耳に届く。 天幕のあちらこちらから、様々な音が響きわたり、一種の音楽のようだ。 「噂のにゅーうぇーぶドコー。アル君と深めた産婦人科の知識を生かせる患者様はおりませんかー!」 「いやぁ、先生腕がいいね」 「ありがと。おねえさまも相変わらず色っぽいよ」 機嫌よく上衣を直すヤギの老人に、泣き真似をしながら軟膏を手渡す。 「じゃあ、コレを清潔にした患部に一日一回塗って下さい。一ヶ月もすれば、ベリっと全部剥がれます。 サービスするから、他の子にもオレの宣伝してね!」 「ウチは自由恋愛主義だからね」 苦笑いを浮かべる老人にがくりと肩を落とす。 その横を、チェルが通り過ぎる。 その腕には玩具や食べ物が溢れかえり、ご機嫌だ。 「ちーいっぱいアメもらったのあるから!あっちでとりかえっこしよ!」 「そのリボン見せてね」 「いいよー!このユーちゃんのクッキーおいしいね!」 歳の変わらないヤギの少女達と、楽しげに話しながら広場に向かう姿を眺めポリポリを頭をかく。 「若いって、いいなぁ~いや、オレも若いけどね!?28だしね!」 虚空に向かって必死になる黒ウサギに、老婆が笑う。 「アタシも五歳若けりゃほっとかないんだがねぇ」 「ざんねぇーん!」 「ま、今夜はスキャッパーの殿様の前でやらなきゃならんからそれどころじゃないがね。ニューウェーブも忙しいんだよ 細かい事は、明日ハダル様に訊いとくれ」 ***** ヤギの旅一座の隣には、別の楽隊が天幕を張っていた。 明るい日差しの中、そこの一角だけが異様な雰囲気を醸し出している。 見張りらしき天幕の外で楽器奏でているトリの黒い羽根には輝石や暗闇に光る塗料で鮮やかに彩られ、赤い鶏冠とともによく目立つ。 「ちーちゃん、近づかないでね」 「えー」 不満そうな顔をする少女に、白い歯を剥き出して威嚇する。 「だって嘴にわざわざ口紅塗ってるんだよ!?ムラサキの!」 「カッコイーじゃん。知ってる?ぼーかるの人はフランスゴなんだって」 「どういう意味?」 「しらなーい。あ!あのお面の人だよ!すみませーん!サインくださいーキヨカさんへって」 ***** ごとごとと山道を荷馬車が進む。 山盛りに載せられた干草をソファー代わりにウサギとネズミは優雅にランチタイム。 「ほら、ちゃんと野菜も食べないとだめだよ」 チーズの塊を握り締め、無心に食べる少女に大人らしく注意するウサギ。 「そんなこといっても、やさいばっかりじゃんー!」 膨らむ頬をつんつんとつつくと、ネズミは怒って小さなこぶしを振り回した。 ところが、勢いをつけすぎ握った拳からチーズが飛び出す。 チーズは荷台を超え、山道へ転がっていく。 「ああああー!ちーのチーズ!!」 そう叫ぶと、少女は迷わずチーズへ飛び掛る。 そしてそのまま山道を乗り越え、崖から落ちた。 ***** 「えー違いますーネズミ幼女を探すただの一般ラビットですー」 小さな耳と短い尻尾のネズミの衛兵達が弓を構えたまま、胡散臭そうな表情を浮かべる。 対するウサギのコートは既に穴だらけだ。 「いや、ホント人探しで、あのーこれくらいのラブリーチャーミーな おおおお!きょ、巨乳姉妹だと!」 爛と輝くディープグリーンに、臨戦態勢を取っていたネズミ達が凍りつく。 「ニクイッおのれ乳ブルジョワジー!打倒格差社会!!」 なんとか永久追放で済んだ。 ***** 「あ、このあかいのカワイイね!フリソデ?さわっていい?」 「これは売り物だから駄目じゃ」 あっさり断られ、小さな頬が膨らむ。 木々に囲まれた洞窟の中、薄暗い空間に小さなスナネズミと小さなネズミ達が居た。 スナネズミよりも小柄で、毛色も濃いのが珍しいのを何とか押さえ、躾けられたとおり、礼儀正しく振舞う。 山深い国、目にするものは初めてのものばかりだ。 この国の住民であるネズミ達は、あまり外を出歩かず国内で商いをしている。 「イノシシって、つよいの?」 「そうじゃのぅ…追われたら、太い木の上に上るしかないの」 出された乾栗をひとつ口に含む。 硬いのを無理やり噛み砕くと甘い味が口の中いっぱいに広がり、恍惚の表情になる。 「こここ、これおいしいいぃぃぃ!ね、こうかんこしよ!ねっねっね!」 ポーチに入っているネコ国のリボンや飴、ヤギの装飾品を取り出し床に並べる。 どれも色合い鮮やかで、目麗しい。 ネズミたちの瞳がきらりと輝く。 結果、だいたいぼったくられた。 ***** 「アレ、もしかして、ここって理想郷?」 「ゆーとぴあってナニ?」 市場で白虎から購入したプリンに舌鼓を打ちながらチェルが尋ねる。 温暖な気候のため、衣類は新しく購入した薄手の物になり動き易い。 二人とも輝石で彩られた帽子に腕輪に足環に首飾り耳飾が動くたびに音を鳴らし、 見るからに観光客といった風情を醸し出しているが、周囲がそれに注意を払う様子も無い。 「まずね、女の子はみんなパッツンパッツンエロエロ!メシが美味い!野菜も果物も新鮮で安い! イイモノも安い!あと意外と治安がいい!問題はただひとつ!肉臭い!」 「プリンおいしいー」 ケプっと漏らし、他の露天で購入した糖蜜のケーキに手を伸ばす。 「オレも食べよーっと☆いやぁ!夜も楽しみだなぁ♪」 ジャックは、三日で十キロ肥えたので、虎の国に移住することを断念した。 ***** 緋色の布が掛けられた長方形の台の上には、漆塗りの小さな盆に素焼きの湯呑みが二つと、空き皿に竹串が三本。 薄暗い茶屋の奥には、古びた紙が幾つも貼り付けられているのが見える。 そういえば、団子を出したきり店主は姿を見せない。 「そして予想外の露出度の低さに驚きを隠せないオレ。庶民はミニユカータじゃない?じゃない?」 「ろしつど」 豆大福をくわえたままチェルが見上げる。 「ミニスカとか、ないよね。ムネチラがないハラチラもない」 「あのおじちゃん達は?」 「ふんどしだねぇ・・・」 荒んだ眼差しで、汗止めと最小限の衣類を纏った道路工事夫を眺め溜息をつく。 横を過ぎるキツネの女性達は、夏には遠いということもあって、おおむね肌を見せない服装をしていた。 何か見えないかと凝視していると、ゴミを見るような視線を返される。 「なんか、月も違って見える気がするよね。あっちはもうだいぶ暖かいのかな~」 「ちーはまだ寒いよー」 「はっはっは。もふもふするかい?」 猫国を出る前よりも横に成長した黒い巨体を一瞥し、少女は吐き捨てる。 「ジャック、最近なんかヘンなにおいするからヤだ」 天を仰げば、春の薫る白みを帯びた空に薄く姿を見せる月。 ジャック、泣かない!だって男の子だもん★ そう言い聞かせ、タプタプした二の腕でそっと涙をぬぐう。 「キヨちゃんの生まれたところって、こういう感じらしいよ。字もあっちだしね」 墨で書かれた品書きは、大陸共通語なのでかろうじて読めるが、微妙に間違っているのが気にかかる。 裏を返せば、見慣れぬ文字。 「客商売にもかかわらず、このぞんざいさはどうなの。まさか国民総ツンデレ!?」 とりあえず叫んでみたが、反応はない。 品書きをひっくり返しながら口を動かしていた少女が、チラリと見上げる。 「ちーねぇ、教えてもらったからわかるよ。これが、「お」で、こっちが「き」なの」 顔をしかめながら、つかえつかえ話すも目線は下がり、尻尾がせわしなく動く。 「そーいえば、キヨちゃん、しょっちゅう空見上げてたねぇ~ここ、懐かしく思うのかな」 狐国と比べれば、犬国猫国は、言葉はもちろん、文化も風俗もかなり違う。 まるで、異世界だ。 「でもね、カグヤヒメじゃないから絶対大丈夫だって言ってた」 握りすぎて、飛び出した苺大福を口に運びながら呟く。 「けど、キヨちゃんの大丈夫ってさぁ」 涙目で睨まれていることに気がつき、苦い緑茶を一気に飲み下し、熱さにむせる。 「ち、ちーちゃん?」 「ジャック、キライっ!もーウチかえるぅぅぅ!!」 「あっちょ、おちついて、あっいやっちょ!あい、イイイテテテテテテテ!」 「と、いうわけでネズミガールのホームシックを治す方法を教えて下さい」 それはそれは見事な、寸分の隙も無い土下座だった。 相対するのは作務衣姿のキツネのマダラ。 木造の家屋に漂うのは、嗅ぎ慣れぬ薬草の匂い。 「知ってんだよ。オレ、この長耳を嘗めたらイカンよきみぃ!」 がばりと顔を上げ、正座のままずずっっと詰め寄り髭同士が触れ合う距離になる。 「ほらぁ~治療法は違えど、一応本業は一緒じゃなぁい?し、か、もっロリネズ同士じゃーないですか! まさに!なんと奇遇な!まさに穴キョ!」 ばっと手を広げ、そのまま尻を蹴られて畳に突っ伏す。 犯人は、あかんぺーをして襖を勢いよく閉めて走って逃げていく。 奥から、きゃあきゃあと騒ぐ声。ネズミ同士で気があったようだ。 髭のまばらに生えた顎を擦り、しばらく思案したマダラはウサギの隣に置かれた黒い大きな鞄に眼をやった。 ***** いのしし ***** 目を開ければ、青い海白い砂浜。 「ここはダレ?オレはどこ?」 問いに答える相手がいない。 見上げた空を長い翼の鳥が滑空しながらアホーと鳴いている。 喉は塩で焼け、体はギシギシと痛む。瞼を擦り、全身に塩と砂が張り付き、不快で仕方ない。。 顔に張り付く長い物は・・・自分の耳だ。引っ張ると、痛い。 状況を把握しようと周囲を見渡すと、まず目に入ったのは・・・ 体育座りしている短パン一丁の白いトリ。 「ここは競泳水着の遮光眼鏡ッ娘でしょ!?いや、ツルペタとかボクっことか開発中美女もいいけどーー!」 ***** 「ふぅーん。じゃーおにーちゃんも旅のとちゅうなんだ。ちーといっしょだね」 遊覧船の甲板で、白いリボンを靡かせ一足早い夏を満喫しているネズミ少女の隣に立つ中華服の青年は、遠い地平線に目をやった。 「連れの人、落ちたけど」 「ジャックだから」 青年はしばらく沈黙し、海を見つめた。 「そーいえば、おにーちゃんはライオンと戦うんでしょ?もしかしてマサイゾクなの?」 「え…?」 観光客の風に捲られたスカートを覗こうと甲板で滑り込みそのまま海へ墜落したウサギは、魔窟経由でネコの国へ無事帰国した。 ***** 「うーみーはひろいなーおーきー―イヤァァ!ごめんなさいっ許してぇ!いやぁ!フナムシは嫌ァァ!!」 虚ろな瞳の端からほろりと大きな涙が零れる。 長い耳は白い地肌を露わにし、赤剥けた皮膚が痛々しい。 建物の隅で頭を押さえ、ガタガタと体を震わすウサギが一人。 そこはとある港に近い下町。 ウサギの座り込んでいる一角だけ異様な雰囲気を醸しているので、半径10Mほど人気が無い。 そんな中、小さなネズミ少女だけが、事態を打開しようと足掻いていた。 「ジャックしっかりして!そのままじゃアマミのクロウサギだよー!」 無理無理腕を引っ張り、動かそうと試みるも、完全に脱力仕切った体は梃子でも動きそうもない。 仕方なく腕を放し周囲を見渡し危険が無いことを再度確認、ポーチから飴玉を二つ取り出し、一つ口に含む。 もうひとつは、半開きの口に押し込んで、水筒の水も流し込む。 完璧だ。 半開きの口から大半の水は出てるし、飴で喉を詰まらせかけているが、なんら問題は無い。 腕を組み、目を閉じて飴玉をカジカジと砕きながら考える。 ごくん。 「そうだ!こまった時のヒトダノミだ!」 小さな耳と長い尻尾をピンとさせて叫ぶ。 「ジャックまっててね!助けてくれる人さがしてくる!」 そういうと、彼女は猛烈な勢いで町の中心部に向かって駆け出した。 「断る」 竹を割るような一撃。 いわゆる一刀両断。 黒猫耳に黒髪、黒瞳、黒尻尾のネコマダラ青年が面倒臭そうにそう言い放ち、後ろも見ずに去ろうとするので、 チェルは慌てて買い物籠にしがみつく。 「でも、お兄ちゃんヒトでしょ?ヒトは助け合うからヒトだって、ジャックがいってた! あと、人という字は、片方が楽してるように見えるけど、無いとやっぱり立てないからまあちょっとぐらいは我慢だって!」 ずるずると引きずられながら、必死で説得しようと試みる。 「あのね、ジャックはウサギだけど、ヒトダスケもちょっとしてるから、今ちょっとだけ助けてほしいの! そしたら今度お兄ちゃんとか、お兄ちゃんのおともだちがこまってる時、ちーが助けるから!」 石畳に当たる足は、大人の手で包んでしまえるほど小さい。 「絶対」 言い切った言葉の強さに足が止まる。 青年は、魔力も牙も持ち合わせていない少女を見下ろした。 小さなネズミは、ネコのマダラの姿をしたヒトを真っ直ぐに見つめ返した。 「まだか?」 「えっと、ね。あっちの一番向こうなの」 手を繋ぎ倉庫の中を突き進む二人。 夕焼けに向かいチェルは指を伸ばした。 「あのね、あそこ・・・」 彼女の指差した先には、キツネ少女達を元気に追いかける黒いウサギの姿が! 「尻尾モフモフさせてぇー!」 「い、いやぁぁああぁー!アキラ君助けて!」 「あっ!おぬし!は、早くこやつをなんとかするんじゃ!」 繰り出す符は何故か水に濡れたり蜘蛛の巣に掛かったりし、無効になる。 それを見た少女達は変質者に追いかけられる恐怖と混乱で普段の聡明さをどこかに落としてしまったようだ。 焦った声を上げる巫女服の少女と、それよりいささか体の発育がいい二人のキツネ少女を心底楽しそうに追いかける黒ウサギ28歳(自称)。 「・・・アレか?」 半眼で尋ねる青年に、少女の肩ががくりと下がる。 「ごめんね、お兄ちゃん。すぐ片付けるから」 チェルは小さく溜息をついて、懐から細い筒を出した。 腰のポーチを開け、リボンと飴をより分け、小さな薬入れから軟膏に浸かった針を筒にセットする。 プッ 「カナさん、アケカゼさん。ごめいわくをおかけしました」 ぺこりと頭を下げる子ネズミに憔悴した風の二人は同情した表情を浮かべたまま首を振った。 「おぬしも大変じゃな」 「あのね、倒れてるの見つけて、私が気付けの符を使ったら、辺りの魔素と魔力が混乱しちゃったみたいで、ああなったんだと思うの。こっちこそごめんね」 「とんでもないです。ありがとうございました」 まさかアレが普段の姿とは言えず、曖昧な笑みを浮かべる。 同情に満ちた二人の瞳の中に映る自分の表情には見覚えがあって、また郷愁に駆られた。 「そういえば、なんでこやつがヒトだと知っていたんじゃ?」 巫女服の少女が腕組をして無い胸を張り尋ねる。 確かに青年の付けている超高級付け耳と尻尾は本物志向で、外見から見破るのはかなり困難だ。 「魚屋さんにここらへんでヒトいませんか?ってきいたら、教えてくれたよ」 彼女は黙り込み、眉間に皺を寄せる。 付け耳の意味が無い。 チェルは小首を傾げ、少女と明日の昼食の献立を考えている青年を見比べ朗らかな表情を浮かべた。 「あのね、アンズより梅葉ヤスシらしいよ?」 「誰じゃ、ソレ。案ずるより生むが易しじゃろ」 「そうソレ。あのね、だいじょーぶ。ウチもおんなじだけど、ふーちゃんちのおじさんもおばさんも、 肉屋さんも魚屋さんもお惣菜屋さんも商店街の人はみんな、まかせろー!って言ってくれたから」 それじゃあ、ありがとーまたね。 そういって、去りゆく小さな背中を見つめたまま、巫女服のキツネ少女は立ち尽くす。 瞬きをして言葉の意味がゆっくりと浸透するのを待つ。 「それって、割とダメダメじゃないかの・・・」 彼女の呟きは、潮風に紛れて消えた。 ***** 朝食は、とろっと黄身のこぼれる目玉焼きに、茶色い焦げ目のウィンナーとぱっくり口を開けた大きな二枚貝。 ワッフルとフレンチトースト、香ばしいポテトフライにかかるのは塩味の効いたとろけるチーズ、それからカリカリに焼いた小エビ。 「野菜が足らないよ!野菜が!」 チェルは無言でフォークをウィンナーに突き刺した。 小気味いい音をたて、肉汁が皿に飛び散る。 グラスのミルクを一気に飲み干し、目前の黒ウサギを洗い忘れた雑巾を見るような眼差しでねめつける。 「あっその眼つき・・・!えー挫けないよオレ!あいそーなしの♪・・・あ、コレじゃないやえーっと」 「おきたら知らないところにいました。おうちちょっこう馬車は?」 「寝ている間に臨時フェリーに乗ってみました☆ほら、海草も超・新・あっやめて!そんな太くて大きいの無理だよぉッ」 口元にウィンナーを押し付けられ、脂が頬を伝う。 「イヤ、ホラ。お土産に時計買うの忘れててさぁ~さすがにあっちは無理だからね」 無意味にポーズをつけてウィンクするウサギに、溜息をひとつ。 食堂の外、ガラス越しの暗い空に遠く見える時計台。 ここは自治港ナアト。時計台が名物だ。 「だんだんキヨちゃんに似てきたよねぇ~あーヤダヤダ。料理の腕と男の趣味は似ちゃ駄目だよ」 チェルは無言で仕上げにデザートの三段重ねホットケーキの最後の一口を頬張った。 視線の先には、商店の壁を垂直に駆け上がる人影が見える。 「時計台は一部立ち入りできるみたいだから、そこ行ってーあと街は遺跡弄ってるみたいだし、ちょっと見たいなー♪」 「ヤだ」 ナフキンで口をゴシゴシと擦ると、皿を重ね席を立つ。 「ココ、なんかシッポがびりびりする。ヘンだよなんか」 不安げに尻尾を撫で、落ち着かない様子で周囲に目をやるチェル。 「ソーリャータイヘンダー」 ジャックは平然とした口調でワカメサラダを頬張った。 「確かに、臨時フェリー出すのも急に乗客が詰め掛けたからって言ってたしねぇ~」 閑散としたホテルの食堂を見渡し、垂れた耳を傾ける。 「ちょっとだけ外でて帰ろうか?」 「すぐ帰ろうよ」 小さなネズミは尻尾の毛を逆立て、ふるふると首を振った。 「じゃー今度は、こっちの道ー」 「いゃぁぁぁぁもう…やだよぉかえろうよぉ」 顔をべしょべしょに濡らし、嗚咽を漏らすネズミを笑顔で引きずるウサギ。 「もう~しょうがないなぁ♪ちーちゃんは。じゃあ、右と左どっちがいい?」 そういいつつ、地図に印をつけ、白墨で壁に手早く魔方陣を書き付ける。 「うぅぅ・・・み、みぎの方がマシ・・・」 目の縁をごしごしと擦り荒い息をつく少女をひょいと抱き上げ、ジャックは迷わず左の道へ進む。 声なき悲鳴に垂れ下がった耳がぴりぴりと震える。 「やっぱ海かなー?こういうとき、がっくんいれば役に立つのになー」 腕から飛び出そうと大暴れするチェルを巧みに防ぎつつ、周囲を見回す。 かなりの広範囲に渡る警戒区域。 古びたレリーフに指を走らせると、鈍く光る護法陣。 遺跡が流用されただけのことはある。 「ねぇねぇちーちゃん」 腕の中で小さく丸まり、歯の根が合わないほど震えるネズミに呼びかける。 「そんなにヤバイ事が起きそうなのに、ちーちゃんは一人で逃げちゃっていいの?いやまー所詮ネズミだから仕方ないカナ☆」 路地から見上げた空は、誰かの瞳とよく似た鉛の色。 「ここで一人だけ逃げたら、人たくさん死ぬだろうね。でもネ・ズ・ミ・だ・し、しょうがないよね~♪」 唇を噛み締め、嗚咽を堪えて涙を拭く。 「キヨカなら、にげない?」 「オレ、キヨちゃんじゃないから~わかんなぁ~い★」 ふざけた言葉を吐く口にパンチ一発。 「さっさとおろして!せくはらきんし!」 怖さで強張る体をぐっと伸ばし、顔を上げる。瞳に宿る輝きはとてもとても尊いもの。 「はやくいこう!いちばんこわいところに。それで、はやくキヨカのごはん食べるの!」 早口で言い切り、震える足で地団太を踏む。 怯えに強張った顔に浮かべる笑みが、近しい誰か、遠い記憶の残滓に重なる。 あのこのめはとろけるようなあまいいちごににていた。 「オレもあのビミョーな味が、懐かしいような全然懐かしくないようなカンジだよ」 「なら食べなくていいよ。ちーが食べるから」 もう声は震えていない。 震える拳を抱きしめて立ち向かう小さな姿の背中を叩く。 「大丈夫、ホラ、オレ一応保護者だし」 「・・・うそっぽい」 ネズミがこんなにも怯えるのは理由がある。 理由があるなら、それを探り解決することだって出来るはずだ。 知らず知らずのうちにウサギも同じような笑みを浮かべている。 不安げな表情で空を見上げる住民達の中、冷静な表情を浮かべた占星術師が地図と術具を仕舞い込む。 「確かに間違いない。大殺界というヤツだな皆殺しだ」 「さっすがゴルゴラたん。オレも苦労した甲斐があったよ☆」 汗を拭く仕草で疲労度をアピールしてみるが、あいにく誰も相手にしない。 思わずしゃがみ、ののじを描いてみるが、風が吹きつけるばかりだ。 臨時子守を買って出た巨乳クモ美人に付き添われ、地下室で寝ている幼女が羨ましい。 「オレも巨乳枕ほしい」 ***** 覚悟を決めた人々が空を見る。 厚い雲をつき抜ける歪な銀影。 それは街と海の境目掛けまっすぐに墜ち、蜘蛛の術式結界に捕らわれ、宙に留まる。 割れる そして お ぞ ま し い も の が 「ナルホド。死の雨か」 「ここは孵らない卵といっておこーか☆ハンプティダンプティはごめんだよ」 パチリと扇を閉じ、眇めるネコにウサギは笑う。 「イッツ ショータイム♪」 拡散する寸前、次の結界が作用する。 蕾から咲き誇る花のように次々と展開する結界は様々な種族による多様性に富んだもの。 幾重にも重なる花弁が、それらは舞い散る粒子を一つ残らず絡めとり、再び閉じる。 ―― 圧縮 ―― 白い繭に包まれた悪意は身を捩り、ゆっくりと世界へ生まれようとする。 ウサギは微笑み、魔力を開放した。 古代遺跡の護法陣を利用し、一区間を一つの巨大な魔方陣に変える。 効果は、物質変化 死を孕んだ卵が風化する。 硬い殻に囲まれたまま、石へ変わる。 質量の重さに体が軋む。 「こりゃヤバイやばいってマジヤバイ。長くは持たないよ。お嬢さん」 膝を付きそうになるのを堪え、震える顔で笑う。 魔方陣を維持する為に魔力が失われ、急激に体力を消耗する。 周囲の魔素を取り込もうにも端から消費し体が自壊。 細胞が崩壊し毛細血管が破裂する。 ぬるぬると滴る血がモザイクを汚し補助結界を無効化する。 脳が白く染まる真白く吹雪く凍える体震える指こぼれる血はあのときのように霞のように消え失せ ぼくはきみのことがいとしくていとしくてきみのいないせかいなどいらないのに 赤い視界の中で、海から飛び出した優美な青い影が宙を舞うのが見えた。 彼方に翳む星と月と太陽と、 きみはもういないのにそれでもせかいはこんなにもうつくしいから 昼の終わり、夜の使者のような黄昏の輝きが彼女を後押しする。 「――88(アハトアハト)スクエアッ!!」 ぼくはまだきみをあいしてる ***** 「そういえば―あのウサギの名前、なんだっけ?」 「えーっと……あ、入塔帳に書いてありますね。ガエスタル。女の子の方は…書いてないみたいです」 「じゃあ、その名前、今度の評議会で出しておこうか。一応」 「ところでちーちゃん」 ニヤニヤしながらウサギが歌うように語りかける。 フェリーが揺れるので、必要以上にふらふらとしているが、あまり普段と変わらない。 「そろそろキヨちゃんのこと、ママって呼んであげなよ」 「ほっといて!!!」 顔を赤くして照れる小さなネズミのとび蹴りは、なかなか威力があった。 威力があったので、柵に腰掛けていたウサギはそのまま波間に飲まれる。 「いやぁぁぁ!しょっぱいのいやぁぁぁあぁぁーー!」 10分後無事保護されたウサギは、大変大人しく自宅へ帰宅したとか何とか。 *****おしまい ストッキング 猫国製は破れにくい 1バクトゥン=¥5 wiki用語参考 落ちコレ=落ちモノコレクター 家庭の医学 後年、大陸共通語に翻訳され、身近なヒトの為の医学手引書として廉価で出版される事となる。 楽隊 外見はパンクでメタル。ボーカルはマダラという噂。 吹き矢 達人ともなれば、一撃で猛獣を倒すことも可能!ただし、効果が出るまで時間が掛かることも。 偽名は基本。 大人とは、裏切られた青年の姿である。太宰治
https://w.atwiki.jp/sorasouyo/pages/111.html
211 携帯デイリー sage New! 2008/02/15(金) 22 47 22 ID jYtwJcwE0 2月15日 (午後から晴れ間がのぞく。球場内監督室で) ―あすは再び日本ハムと練習試合。 「放送もあるしな。矢野は足が張ってるから外すけどあとは2打席くらい。(野手は)全員出すよ」 ―フォードも出場? 「守るいうからライトで2打席くらいかな」 ―フォードは2日休んだが調整遅れは? 「あんなもんやろう。遅れもクソも。今ごろ来る外国人もいるんやから」 ―クリーンアップは? 「今岡、新井、フォードで打たす」 ―3番今岡? 「何の意味もないけどな」 ―フォードについて広澤打撃コーチが最初は打たないほうがいいと。 「うん。キンケードは打ち過ぎたもんな。日本の投手に慣れるというのもあるけど、向こうにすれば交流戦に向けて探りを入れるいう意味もある。そういういたちごっこやろう」 ―江草も登板するが先発起用の考えは? 「考えてない。本当は岩田とか投げさせたいけど安藤、福原がな。あいつらの方が不安かも分からんからな。1回でも投げておかんと、今年いけるという感覚だけでもなあ。不安は不安よ。練習でやってて実戦でどういう形で出るかというのは違うしな」 ―前回対戦では中田に一発を打たれた今回は? 「抑えにいくとかじゃなく投手が自分のいい球投げて打たれたら仕方ない。打たれたから評価どうこうというのはない。野球界のためには話題があったほうがいいけどな。本気で攻めるのは公式戦入ってからやろう。打たれてもいいから“ここに投げてみろ”いうのはあるけどな」 ―改めて中田は? 「ええスイングしてる。大振りじゃなく振れてる。タイミングが合わないと振れないから。振れるいうことはある程度タイミングが合ってるいうこと。天性やろうな。体にしてもスイングスピードにしても持って生まれたもんやろうな」 ―評論家の大野北京五輪日本代表投手コーチとブルペンで話していた。 「久保田はええなあいうから。何の話ですか言うた。今日は服(日本代表ジャージーではな)が違うから。NHKの取材やろう」 ―大野氏は「久保田はいい」と言っていた。 「そら、悪い投手ではないからな」 ―今岡が特打。 「今岡ぐらいになると実績があるから練習でいいから使うじゃなくゲームで打ってもらわな困る。ゲームの中での対応やろう」
https://w.atwiki.jp/server2mhf/pages/20.html
隠密・・・同じ団員の仲間なんだから隠密はやめてよ・・・
https://w.atwiki.jp/seriale/pages/879.html
08/04/14(月)00 44 03 No.11876136 ■タワー■ サルヤマ 「部長」と呼ばれる男。 人生の半分をタワーで過ごしている。 「六区」と呼ばれる区画で盲目的に実験に従事、 また、管理AIに逆らうものを自主的に粛正している。 「六区」で行われる実験になんの意味があるのか知ろうとはしないし 知りたいとも思っていない。思考停止こそが彼の生きる術なのだ。 報酬なのか偶然なのか、重度の人体改造にも関わらず 副作用が全くでていない。 ∥関連事項 ⇒タワー
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/702.html
http //www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/70263/ 【正論】岡本行夫 なんのための教科書修正か 07/23 07 20 トラックバックURL: http //www.iza.ne.jp/news/newsarticle/70263/TrackBack/ ■歴史をどんな主観で語るかが焦点に ≪慰安婦問題の争点は何か≫ 故堀米庸三東京大学名誉教授は、歴史というものはばらばらの事実を年代順に並べることではなく、現在の人間が主観的な契機をもって過去の史料を取捨選択するものであると40年も前に説かれていた。歴史というものは主観の産物になる宿命にある。例えば慰安婦問題について何万人もの慰安婦の事例すべてを検証することは不可能である。だからそれを一般化して語る時には、解釈者の主観が問われてしまう。慰安婦の境遇に同情しているのか、それとも何万人かの慰安婦は全員が自由意思、つまり金銭目当てだったと言っているのかと。 慰安婦問題について米下院で審議されている対日謝罪要求決議案。4月末に安倍首相が訪米した際の謝罪姿勢によって事態は沈静化し、決議案成立はおぼつかない状況になっていた。しかし日本人有志が事実関係について反論する全面広告をワシントン・ポスト紙に出した途端、決議案採択の機運が燃えあがり、39対2という大差で外交委員会で可決され、下院本会議での成立も確実な状況になった。正しい意見の広告だったはずなのに何故なのか。それは、この決議案に関しては、すでに事実関係が争点ではなくなっているからである。過去の事象をどのような主観をもって日本人が提示しようとしているかに焦点があたっているからである。 ≪沖縄の歴史の大局的流れ≫ 沖縄の教科書検定問題も似たところがある。軍の集団自決命令はあったのか。現代史について優れた業績を残されている秦郁彦氏が、軍による自決命令はなかった、情緒過剰の報道は慎めと本欄で説かれた主旨に異論はない。 しかし、一方で、沖縄が本土防衛のために「全島要塞(ようさい)化」されて凄惨(せいさん)きわまりない状況に置かれ、住民の死傷者が戦闘員を上回った歴史は存在する。私は60回を超えた沖縄行きを通じて戦時中の話を聞く機会も多かった。住民たちが日本軍に殺された話も、沖縄の至るところに残っている。残念ながら自衛隊員に対する反感が沖縄県民のあいだに今も根強いのは、そうした背景のためである。 誰の命令か発意かは別にして、痛ましい集団自決があったのも渡嘉敷、慶良間だけではない。たとえば、戦争中に特に激しい米軍の攻撃を受けた伊江島では、島に残った住民3000人の半数が死んだ。軍によって米軍への投降を厳しく戒められていた島民たちの中には、絶望的な状況下で手榴弾(しゅりゅうだん)や爆雷を囲んで集団自決していった人々も少なくない。 沖縄の悲劇は、戦時中の被害ばかりではなく、戦後も同県が不公平な立場に置かれてきたことにある。本土が高度成長していた時代に沖縄は占領下で閉塞(へいそく)状況におかれ、1972年の本土復帰後も米軍基地の重圧にあえいできた。面積にして米軍基地の75%が、日本全体の0・6%の面積しかない沖縄にいまなお集中している。日本政府が、本土にある米軍基地の過半をアメリカから返還させたのに、沖縄の米軍基地には手をつけなかったためである。重要なのは、こうした大局的な歴史の流れである。 ≪事実関係が問題ではない≫ そもそも、私にも「軍命令による集団自決」は、教科書にわざわざ書くほどの事象だったのかという疑念はある。しかし、既に書かれていた教科書の記述を、論争のある時に修正することは、「軍の関与はなかった」とする史観を新たに採択した意味を持つ。否定できない犠牲の歴史が沖縄にある時に、修正しなければならないほど重大な過誤が従来の記述にあったのか。歴史とは事実の羅列ではない。それを通じて生まれてくる主観である。 原爆投下の歴史的意義を個人がどう判断しようと思想の自由である。しかし公的立場の防衛相がこれを「しようがない」と述べることは、日本政府の基本政策に背馳(はいち)するばかりでなく、今も苦しむ原爆被災者の感情から、許されることではなかった。 今年は憂鬱(ゆううつ)な年である。秋以降には米国で製作された映画「南京」が劇場公開され、さらにインターネットで世界中に配信される。アメリカの民間人が南京市民を日本軍の暴虐から救う「英雄物語」だが、観客の反応は目に見える。南京事件の実態については、犠牲者を数万人とみる秦氏の著作が最も客観性があるように思われるが、それとて、もはや数字の問題ではなくなってきている。日本人からの反論は当然あるが、歴史をどのような主観をもって語っていると他人にとられるか、これが問題の核心であることに留意しなければならない。(おかもと ゆきお=元沖縄担当首相補佐官)
https://w.atwiki.jp/ikenuma-yui/pages/226.html
あずなんの悲劇 ある日の午後。 珍しく部活が休みな梓は学校から帰宅の途中にいた。 梓「今日は家でギターの練習でもしようかな」 真面目な性格の梓は部活が休みでも練習のことを考えている。 ・・・ふとその時、後ろに不気味な気配を感じ振り返った。 唯「(^p^)」 梓「ぎゃあ!!」 思わず梓は大声をあげてしまった。 それもそうだ突然自分のすぐ後ろに間抜けな涎と鼻水を垂らしたブサイクな池沼がいれば誰でも驚く。 梓(びっくりした・・・この人、確かこの近所で有名な池沼じゃ) 唯はこの近所では悪名高い池沼として有名であった。 万引きの常習犯であり時には自分より弱い子供に悪さを働き警察沙汰になることも度々である。 またこの池沼には憂という妹がいるが梓と憂は同級生であった。 この憂もまたある意味で唯よりもたちが悪いという評判を耳にしている。 前述した通り唯が警察沙汰の事件を起こしても施設送りにならないのは憂によるものだという。 唯と憂は両親不在の二人暮らしをしている。 池沼の姉の保護者代わりの憂は異常なまでに唯を溺愛している。 唯が事件を起こしたとき憂は姉は障害者ということを主張し事なきを得ているのだ。 むしろ被害者は唯のほうであると言い張り、周りを悪者扱いし好き勝手しているのだ。 そういうことで平沢家姉妹は近所でも近づくと碌なことが無いと嫌われていたのであった。 そういうわけで梓は唯を無視して離れようとする。 しかし唯は逃げる梓の後ろにぴったりくっついて着いて来るのだ。 しかも唯は「あう~あう~」と気持ち悪いうなり声をあげてついて来る。 唯「あう~あう~(^p^)」 梓(何でついてくるのよ~!!きもいよ~!!) この恐怖に堪らず梓は走りだした。 しかし唯もそれにつられて走り出す。 梓はギターという大荷物を背負っていたため池沼を振り払うほどのスピードが出せないでいた。 そしてとうとうばててしまいその場に立ち止まってしまった。 後ろを振り返ると唯はまだいる。 唯「むひぃーむひぃー("p")」 重度の池沼で常人よりも体力が無い唯はとても苦しそうだ。 その苦しむ様子はとても人間とは思えぬ程に醜く梓は更に恐怖した。 しかし流石に池沼とはいえその様子を心配した梓は唯に声をかける。 梓「大丈夫ですか・・・それと私に何か用ですか?」 唯「むひぃーむひぃー("p")」 唯は苦しそうな声を上げるだけで梓の問いに答えようとしない。 そもそもこの池沼に会話が通じるかどうか疑問であるが。 梓「ちょっと・・大丈夫ですか・・」 唯「むひぃーむひぃー("p")」 唯「ゲロゲロゲロブべべボボボ("p")」ビッチャー 梓「きゃあああ」 唯はゲロを大量に吐いてしまった。 ゲロは道路に散らばり悪臭を放つ。 ゲロが跳ね梓の服に付着する。 梓もこれには勘弁してくれと思うのであった。 梓「ちょっと、勘弁してくださいよ!!」 堪らず非難の声を荒げる梓。 唯はというとゲロを吐いてすっきりしたのだろうか呼吸が整い何やら喋り始めた。 唯「ギー太!!(`p`)」 梓「えっ!?」 唯「ゆいのギー太かえす!(`p`)」 梓「ギー太?(ギターのこと?)」 わけのわからない梓であったが突然唯は怒り出し梓に飛びかかった。 そして梓の背負うギターを奪おうとする。 どうやらこの池沼さん梓のギターを自分のギー太だと思い込み取り返そうとしているようだ。 梓「止めてください!!これは私のギターです!!」 唯「だめなの!!ゆいのギー太かえす!!(`p`)」 池沼であるため加減というものを知らず唯は物凄い力で梓に突っかかる。 唯の服は涎と鼻水で汚れており更に先ほどのゲロも付いていて汚い。 そんな有様の誰も触りたくない唯が抱きついてくる。 しかも自分の愛用するギターを盗もうとするのだから梓は堪ったものではない。 梓はもうパニックになってしまった。 唯「ギー太!!ギー太!!ゆいの!ゆいの!(`p`)」 梓「ちょ!離して!!・・・離せって言ってんだろ!!糞池沼!!!!」 バコーン!!! パニックになった梓は思わず唯に顔面に思いっきり右ストレートを食らわす。 見事にクリーンヒットし唯はぶっ飛んで後ろにあるコンクリートの塀に頭をぶつけてしまった。 唯「・・・("p")」 今のはかなり効いたのだろう。 唯はその場に倒れ動かなくなった。 正当防衛とはいえ流石に心配した梓は唯に声をかける。 梓「あ・・・すみません、大丈夫ですか?」 唯「・・・("p")」 返事がないただの屍のようだ・・・と言っている場合ではない。 梓は焦って唯をつついてみる。 すると僅かだが反応があった。 良かった、生きていたと安堵するのも束の間。 唯「びえええええええええええええ!!ゆいいたい!!("p")」 唯のお得意の池沼泣きが始まった。 馬鹿でかく間抜けな泣き声が辺りに響き渡る。 何事だと近くにいた歩行者達が集まり始めた。 梓「ちょ・・ちょっと(やばい!人が集まってきちゃった!!)」 唯「びええええ!!ゆいわるくないのにぶった!!むーヒッく("p")」 梓「ええー!?(先にちょっかいだしたのはそっちなのに!)」 唯「びええええええええ!!ヒッく("p")」 次第に人だかりができ梓は逃げたくても逃げられない状況に追われてしまった。 唯は一向に泣き止む気配がない。 梓「私は悪くないんです・・この人が・・」 唯「びええええ!!ゆいわるくない!!いたいいー!!("p")」 梓が弁解しようとしたが唯の池沼泣きによりその声は遮られる。 一方で興味本位でこの様子を見物している人は またあの池沼か・・・と梓に同情の視線を送る人もいれば 唯の間抜けな池沼泣きがツボに入り笑いを堪えている人もいる。 梓はどうしようか悩んでいたその時、物凄い気配を感じ後ろを振り返る。 梓「・・・う、憂・・」 梓が目にしたのは顔を真っ赤にし鬼のような形相で梓を睨み付ける憂の姿であった。 憂「お姉ちゃん・・・何てことするの!!梓ちゃん!!」 梓「そんな・・・私は悪くないのに」 必死に事の有様を話そうとする梓。 唯「びええええ!!ゆい!わるくない!ぶたれた!("p")」 しかし唯が悪くないと主張し憂は梓の言うことを聞こうとしない。 憂「お姉ちゃん、頬が赤く腫れている可哀相に・・・殴られたのね」 梓「確かに殴ったことは認めます、でもそっちがはじめに・・」 憂「まあ!殴ったのね!酷い!障がいをもつ姉を殴るなんてまともな人間のできることじゃないわ」 梓「だからそれは謝ります、でも・・・」 憂「謝ってすむ問題じゃないわ!ああ頭から血が出てる殴られた拍子にぶつけたのね!」 何を言っても受け入れてくれない憂の態度に梓は怒りと同時に悲しみが湧き上がってきた。 梓「うう・・・だから・・・わたしは・・・」 憂「まだ言い訳する気!?救急車を呼んでください!!早く!!」 唯「びええええええええええ!!!("p")」 憂に怒鳴られ救急車が呼ばれた。 事が大事になってしまい焦る梓はとうとう泣き出してしまった。 梓「うえ・・・うう・・・わたしは・・・うう」グスグス 憂「今度は泣き落とし?呆れるわね」 梓「うう違う・・・」ズビズビ 憂「お姉ちゃん、吐いちゃって・・・そんなに酷く殴られたのね可哀相」 梓「それは私のせいじゃ・・・」 憂「みなさーん!!桜ヶ丘高校の中野梓さんは障がい者に暴力を振るうとんでもない子ですよー!!」 梓「止めてよぉ・・・憂・・」グスグス 憂はその後も大声で梓を罵倒し続けた。 数十分後、救急車が到着し大泣きする唯は憂と共に病院に運ばれていった。 梓「どうしてこんな目に・・帰ろう」 後に残された梓はようやく落ち着き家に帰った。 せっかく早く帰れたのに池沼姉妹に振り回され家に着いたのはいつもと同じ時間であった。 梓「ただいま・・・」 梓「今日はもう何もする気にはなれないや・・・寝よう・・・」 とんだ災難に襲われ疲れてすぐ眠りに付く梓。 今日のことは不幸な事故だと忘れようとする。 ・・・しかし今日の出来事はこれから起こる悲劇のほんの序章に過ぎなかった。 その晩、梓は心身共に疲れきってしまい夕飯も食べずに風呂に入り眠りにつこうとした。 梓「ああ、明日学校に行きたくないな・・・」 梓はベットの中で今日の出来事を思い出していた。 泣き喚く池沼。 そして鬼のように怒る憂。 梓「うう・・・憂に会いたくないよ・・」 梓と憂は同じ学校の同じクラスの同級生として昔はそれなりの交流があった。 憂は成績も優秀で、性格も良さそうであり梓とも仲は良いほうであった。 しかし、ある日を境に憂の異常性を知ることとなる。 それは憂に池沼の姉がいて介護に追われ部活も出来ず遅刻も多いことを梓が初めて知った時のことである。 梓「お姉さんを施設に入れたらどう?」 その言葉は今となったら確かに無神経であったかもしれない。 しかし梓は決して唯を馬鹿にした訳ではなく憂を気遣ってかけた何気ない一言であった。 ・・・が次の瞬間、 憂は顔を真っ赤にして大声で梓に飛び掛ってきたのだ。 憂にとっては唯の悪口、そして施設の話は禁句である。 この時は結局、梓が障がい者の悪口を言ったとされ謝ることとなった。 それ以来、憂から梓に話しかけることは無くなり仲は疎遠となってしまった。 憂と同じ中学の出身者から聞けば憂は成績も良く一見は優等生に見えるが、 唯の事になると豹変し唯と共に近所の評判はあまり良くないという。 そのことを今回の件で身をもって痛感した梓であった。 そんな過去のことを思い出しながら何時の間にか梓は眠ってしまった。 ─翌日 いつもの様に目覚めた梓は身支度を整え朝食をとる。 昨日の事もありあまり食欲が無かったが、 昨日は夕飯を食べずにいたし両親を心配させたくなく無理矢理食パンを口に入れる。 そして憂に会いたくなく憂鬱な気持ちながらも学校に向かった。 そんな梓の心配は杞憂となった。 憂は学校を休んだのだ。 教師は特に憂の休みの原因については触れず少し気になったが とりあえず安心した梓はいつも通りに授業をうけ部活を終え帰宅した。 だが家に着いた梓を昨日の悩みの元凶が待っていた。 梓「う・・憂!!」 憂「あら、お帰りなさい梓ちゃん」 梓「どうして!?今日学校休んだんじゃ」 憂「・・・ええ、誰かさんにお姉ちゃんが怪我させられたからずっと病院にいたのよ」 梓「・・・」 憂「精密検査をしてきたわ」 梓「そんなに酷い怪我だったの?」 憂「・・・いえ、幸いにも異常なしですって」 憂「頭を打ったから脳に異常が無いか心配だったけど」 梓(いや・・・もともと頭がおかしいだろって) 憂「それでね、やっと落ち着いたから今日は病院の検査費や治療費もろもろを請求しにきたの」 梓「・・・ええっ!!」 憂「当然でしょ!!誰のせいで怪我したと思っているのかな?」 梓「ちょっかいは先にそっちが出してきたのよ、私は正当防衛で・・・」 憂「・・・ふざけないで」 憂「だいたい梓ちゃん!お姉ちゃんは・・・」 その後、数十分に渡り口論は続いた。 ・・・といっても殆ど憂の罵倒ばかりで梓は口答えできずにいた。 不幸にも梓の両親は共働きで不在であるため梓一人で憂の対応をせざるをえなかった。 結局憂は日ごろの不満と梓の人格を否定する暴言をぶちまけ請求書を渡して帰っていった。 梓「こんなに払えないよぉ・・・」グスッ そこに書かれた請求額は高校生にとってはかなり高額の請求であった。 余計な心配をさせたくないと思う梓は両親に相談できず眠れない夜を過ごした。 ―平沢家 憂「お姉ちゃんを悪く言う奴は許さない・・・」 唯「あう?(^q^)」 憂「ふふふ、ね、お姉ちゃん」 唯「うーい?うれちいの?(^q^)」 憂「何でもないのお姉ちゃん、怪我して可哀相に・・・」 ブブブー!! 唯「あーうんちでたー(^q^)/」 憂「何やっているの!!だから馬鹿にされんだよ!!池沼がア!!!」 バシーン!! 唯「びえーーーーーーーー!!("p")」 憂「あああ・・・ごめん、お姉ちゃん、私ったら!!」 唯「びええええええええええ!!("p")」 憂「ごめんね・・・ごめんね・・・うう・・・」ボロボロ 憂「お姉ちゃんは私が守るって決めたのに・・・ごめんね・・・ごめんね」グスッ ─幼稚園時代の回想 唯「うえーん!!うえーん!!("p")」 園児A「やーい!!やーい!!へんなやつー!!」 園児B「ウンチくせー!!」 憂「やめてよ!おねえちゃんをいじめないで!」 園児C「だって、おかあさんが、ゆいちゃんはみんなとちがっておかしいっていってたもん!!」 唯「あうー!!("p")」 園児D「ね、『あうー』しかいわないし、やっぱおかしいよ」 憂「おねえちゃんはおかしくないもん!!」 園児E「それにゆいのやつ、まだオムツしてるんだもん、おかしいよ」 園児F「ねーウンチもらすんだもん、おかしいよー」 憂「うう・・・おかしくないもん!!」グスッ 先生「こらー!!みんな何しているの!!」 園児A「せんせーだ」 園児B「ゆいちゃんがまたウンチもらしたんです」 先生「あらあら・・・唯ちゃんオムツ取り替えましょうね」 唯「あうー・・・("p")」グスグス 憂「・・・」 先生「・・?憂ちゃん?どうしたの?」 憂「・・・せんせい、おねえちゃんはおかしいんですか?」 先生「・・・そうね・・唯ちゃんはみんなとちょっと違うところがあるわ・・・」 先生「でもそれは全然悪い事じゃないのよ」 先生「さあ行きましょう唯ちゃん、ほら泣かないの!!」 唯「あう・・・("p")」 憂(『わるいこと』じゃないなら、なんでいじめられるの・・・????) 小さい子の世界はとても狭い。 幼少期の憂にとって家の中はその時の世界のほぼ全てであった。 両親は育児放棄でいつも不在気味であり、その世界に唯と二人きりの憂は必然的に姉のことばかりを思うようになる。 そう、憂にとっては唯が全てであった。 その唯が周りと違うというだけで虐められる。 唯といる時間が多いこの頃の憂にとっては唯は普通であるしおかしいことなどない。 世間の言う『普通』が判らない憂にこのことは酷いショックを与えた。 そして誰も信頼することが出来ずに自分が唯を守ることを決意したのだ。 その後も小学校、中学校でも唯は蔑んだ目で見られることは変わらなかった。 その度に憂の決意は固くなり、唯に対する思いもまた強くなっていった。 憂は姉を守ることを生きがいとして今まで生きてきたのだ。 このような歪んだ環境が憂の歪んだ性格と唯への歪んだ愛を生み出してしまった。 今回の梓に対する行動は憂にとっては当然のことであり悪気など何も感じない。 憂「お姉ちゃんは私が守るんだから・・・梓ちゃん・・・もっと後悔させてあげるわ」 そして夜が更けていった。 ─翌日、学校で 憂「梓ちゃん、お金持ってきた?」 梓「無理だよぉ・・・あんな大金払えないよ」 憂「ふーん・・・ギター買うお金はあるのに障がい者のお姉ちゃんに払うお金は無いんだね」 梓「・・・それとこれとは別じゃない」 憂「ギターって高いんでしょ?お姉ちゃんも持っているから分かるんだ」 唯は25万のギターを持っている。 といっても演奏が出切る訳でもなくギー太という着せ替え人形と化しているが。 これは唯が欲しがるギターを憂が店に無理矢理クレームをつけ、 唯は障がい者ということを利用し強引に値切って買ったのだ。 憂はこのようにで他の店でも好き勝手やっていることが多い。 これも平沢姉妹の評判を悪くしている一因である。 憂「売ってお金にすればいいんじゃないの?」 梓「冗談じゃないわ!!これは大切なものなの!!」 憂「・・・まあいいわ、とにかく早くお願いね」 梓「・・・」 毎日のように憂の催促が続き、梓は元気が無くなっていく。 その様子を家族や友人達にも心配されたが、 悩みを一人で抱え込んでしまう性格の梓は誰にも相談できずにいた。 ―とある日 部活を終えた梓は家に着いた。 何やら騒がしく人の気配がする。 梓「誰か居るのかな?」 玄関を覗くとそこには見覚えのある顔があった。 唯「あう~♪(^p^)/」ギーギー ・・・池沼だ!! 何と梓の悩みの元凶である池沼があろうことか自分の家の玄関に侵入し座っている。 しかもよく見ると手に石を持ち玄関を引っかき、何やら絵を描いて遊んでいるみたいだ。 これは堪ったものではない。 梓「何しているんですか!!」 唯「むひぃー!!あうー!!("p")」 大急ぎで唯を止めさせようとする梓。 しかしリミッターの外れた池沼の力は想像以上に凄く反撃される。 梓「痛い!痛い!髪の毛引っ張らないで下さい!!」 唯「むー!!(`p`)」 梓「きゃあ!!髪の毛を食べないで」 唯「むしゃむしゃむしゃ(^p^)」 中野家の玄関前は修羅場となっていた。 そこへもう一人何者かが現れた。 憂「何しているのかな、梓ちゃん」 梓「憂!!」 唯「あー!!うーい(^p^)」 憂が現れたことで騒動は収まった。 唯「あずなん?(^p^)」 憂「そうこの人は梓ちゃんよ、お姉ちゃん」 唯「きゃきゃ!!あずなん!あずなん!ゆいはゆいでつ(^p^)」 憂「ふふ、お姉ちゃん自己紹介ができていい子いい子ね」 唯「きゃきゃきゃきゃ、ゆいいいこー(^p^)/」 梓「・・・って、ど、どうして二人がここに居るんですか?」 当然の疑問である。 しかし悪びれる様子も無く憂は平然と答える。 憂「また新たに治療費を請求しにね」 梓「なんで私が払う必要が?」 憂「あの時の傷はまだ完治していないわ、完治するまでずっと払ってもらうわ」 梓「そんな・・・冗談じゃない!!」 ここまで好きにされたら梓も黙ってはいない。 直ぐに反論をする。 梓「だったら、こっちもさっき、このお姉さんが傷つけた玄関の弁償料金を払ってもらいます」 憂「・・・証拠は」 梓「・・・はい?」 憂「お姉ちゃんがやったっていう証拠はあるの?」 梓「わ、私が見ているわ」 憂「話にならないわね、そんなの証拠にならないわ、嘘ついて何とでもいえるわ」 梓「・・・なん・・・だと」 憂「こっちは沢山の人が梓ちゃんがお姉ちゃんと争っていたのを見ているわ」 憂「それに比べて何時つけられたかも分からない玄関の傷をお姉ちゃんの仕業にするなんて卑怯ね」 梓「卑怯!?」 憂「それにまたさっきもお姉ちゃんに暴力ふるってたみたいね」 梓「違うわ!それは止めさせようと」 唯「あずなん!ゆいなにもしてないのにぶったー(`p´)」 憂「ほら、お姉ちゃんもこう言ってるじゃない」 唯「あずなん!わるいこ!(`p´)」 梓「・・・」 もはやこの二人に何を言っても無駄だった。 散々梓に対する非難を言った後に請求書を渡し二人は帰っていった。 その後も数日のペースで二人は梓の家を訪ねていく。 梓は部活で遅くなる分、帰宅部である憂に待ち伏せされる形となり逃れることは出来ない。 唯達が訪れるたびに玄関が荒らされた形跡があるが憂に証拠が無いととぼけられてしまう。 この仕打ちに反論したい気持ちはかなりあったが、 正当防衛とはいえ実際に池沼に手を出してしまったことは事実なので、 心の優しい梓は強く言うことが出来ずにいた。 梓は両親が帰ってくる前に後片付けをする羽目となる。 そんな梓に我慢の限界が訪れたのはある日のことである。 いつもどおり部活から家に帰った梓はあるものに驚く。 梓「何これ・・・」 家の玄関の前には奇妙な物体が置かれていた。 恐る恐る近づく梓。 梓「う・・・臭ッ!!」 なんとその物体はウンチであった。 ウンチが玄関前に大量に置いてあるのだ。 梓「なんでこんなモノが・・・犬の糞?」 いや、良く見ると動物のわりにはウンチに全く毛が付着していない。 これは正真正銘の人間のウンチである。 梓「あいつらだ!!」 そう、梓の読みどおりこれは唯のウンチである。 ここで梓を待っている間に唯が我慢が出来ず漏らしてしまったのを憂がここに放置していったのだろう。 その二人はもういないが・・・。 梓「絶対に許さない!」 結局梓は悪臭が漂う大量のウンチを一人で吐き気を我慢しながら処理した。 ―その翌日、学校の体育館裏で 憂「何、こんな所に呼び出して、やっとお金払う気になったかな」 梓「・・・いい加減にして」 憂「へ・・・」 梓「訴えるよ」 憂「証拠も無いのに?」 確かに憂の言うとおり、証拠は無い。 このまま争っても池沼を怪我させてしまった私の方が分が悪いだろう。 だが憂達が私に嫌がらせしていることは確信がある。 それにこのままひいてしまったら、また強く出られてしまう。 ガツンと言ってやるんだ!! 梓「私には確信があるしカメラで撮れば証拠ができるわ」 憂「・・・」 梓「映画研究会で借りればすぐに・・・」 おや、憂が俯いて黙っている。 これはいけるか・・・? 憂「・・・ブッ」 憂「ははははははは!!」 え?何がおかしいの?こっちは本気で怒ってるんだよ。 梓「???・・・どうしたの?」 憂「だめよ梓ちゃん、これからカメラで撮るって宣言されているのに何か仕出かすわけないじゃん」 憂「全く、どこまでお人よしなの」 あ・・・しまった。 憂「まあ私は何かしている訳じゃないし、構わないけどね」 この女・・・なんて白々しい。 このまま黙ってなんていられない。 梓「もうやめてよ!!」 憂「・・・ん?」 梓「いい加減にしてよ!!これ以上しつこいと本気で訴えるよ!!」 憂「・・・」 梓「証拠は無いかもしれないけど・・・これ以上は私だって黙ってらんないよ!!」 初めて憂にきつい言葉で反論した。 これには流石の憂も驚いたのか、しばらく沈黙が続く・・・。 憂「・・・」 梓「・・・」 憂「梓ちゃん学園祭のライブに出るんでしょう?」 梓「え、だから何」 いきなり学園祭の話? 何のことだ? 憂「確か軽音部は梓ちゃんを入れてギリギリで成り立っている」 憂「しかも梓ちゃん以外は3年生で次の学園祭は最後のライブ」 憂「今も一生懸命練習しているよね」 梓「・・・」 先輩達の顔が思い浮かぶ。 一生懸命練習する姿。そしてお互いに笑いあっている姿。 憂「梓ちゃんが今、余計なイザコザを起こして学園祭に出られなくなったら他の先輩達にどう謝ればいいのかな?」 憂「こっちが請求した額を払ってもらえれば全て丸く収まるのになあ。」 確かに学園祭までもう時間が無い。 こんな時にイザコザを起こせば練習する時間も無くなる。 もしかしたら何か問題となって最悪の場合ライブに出られなくなるかもしれない。 私一人ならいい、・・でも私が一人抜けただけで軽音部はバンドが出来なくなってしまう。 それ程軽音部は人数が少ない。だが人数が少ない分、部員達の絆も強い。先輩達を見てれば誰もがわかる。 そんな3年生の先輩に迷惑をかける訳にはいかない。 ・・・痛いところをつかれた。 憂「とにかく梓ちゃんに変なことを起こす気があるなら・・・」 憂「こっちも全力で潰すよ」 勝てない・・・梓はそう思った。 憂は物心ついた頃からお姉さんを守るためだけに生きてきたんだ。 その為には他人を陥れることなんて躊躇いも無いし、そんな経験も沢山してきたのだろう。 特に人の一番の弱みに付け入る術を熟知している。 そんな憂に、今まで両親や友達に守られてぬくぬくと育った私が敵うはずも無い・・・。 梓「・・・」 憂「・・・梓ちゃん痩せた?あまり無理は良くないよ」 憂「お姉ちゃんの治療費、分割でいいから、早くね」 立ち去ろうとする憂に最後に声をかける。 梓「憂、狂ってるよ」 憂「・・・」 梓「おかしいよ・・・憂」 憂「」ピクッ 一瞬だが憂の表情が強張った気がする。 憂は振り返って言葉を返す。 憂「おかしいことって悪いのかな」 憂「普通じゃなくて何が悪いのかな」 憂「梓ちゃん、私の忠告忘れないでね・・・」 言い終えると憂はもう振り返らずに去っていった。 残されたのは梓一人である。 梓「ぅうー・・・・・」グスグス 梓は絶望に打ちひしがれてしばらく悔しさで泣きながら立ち尽くしたままであった。 ―その夜、平沢家 唯「うーい、あちた、あそびたーい!!("p")」 憂「お姉ちゃん、ごめんね明日は遊べないの」 唯「あそんでくらない、ゆい、つまんない("p")」 憂「ごめんね、またあとでね」 唯「う゛ーう゛ー("p")」 憂(フフフ、今日の梓ちゃんのあの顔・・・堪らないわぁ・・・)ニヤニヤ 今日の出来事を思い出し思わずにやけてしまう憂。 その様子を不思議そうに見る唯。 唯「あう?うーい、おかちい?(^p^)」 憂「おかしい?」ピクッ 『おかしい』という言葉に過剰反応する憂。 今日の梓の言葉がフラッシュバックする。 梓『おかしいよ・・・憂』 園児『やーい、へんなやつー』 園児『おかしいよー』 幼稚園時代の記憶も呼び出される。 憂「・・・おかしくねーよ!!」 ボコッ!! 唯「あう!!("p")」 憂「何がおかしいんだよ!!いつもいつもてめーらはよオオオ!!」 唯「うーい!いちゃい!いちゃい!ごめんなたい("p")」 唯をボコボコに殴りまくる憂。 数十分後、我にかえった憂は気絶してしまった唯を見て涙を流す。 憂「・・・・ああああああああああああああああああ!!」 憂「ごめん、ごめんねぇ・・・おねえちゃん」ボロボロ もう病気である。 しかし憂を止められる人はいない。 今の憂にはこの気持ちを晴らすのに梓に八つ当たりをするしか方法が見つからなかった。 憂「・・・」 憂「まだよ!まだ足りない」 憂「梓ちゃんはまだ反抗的な目をしていた」 憂「絶対に立ち直れないほどに潰すんだから!!」 憂「そうだ、今までだってそうしてきたんだ・・・」 ―小学校時代の回想 男子「頭おかしいぞ!!この池沼!!しね!!」 唯「あーん!!あーん!!("p")」 男子「くせーよ糞もらし!!学校くんな!!」 憂「・・・」 壁に隠れて様子を伺う憂。 しかしその表情は怒りに満ちている。 ・・・ 場面が変わり、辺りに誰もいない廊下。 筆箱とノートを持って廊下を歩くさっきの男子。 と、その前に憂が立ちふさがる。 男子「あ、何だよお前」 憂はその問いに答えず黙ってその男子が持つ筆箱を取り上げた。 男子「なにすん・・・」 と、次の瞬間、 憂は筆箱から鉛筆を取り出し、ニヤッと笑ったかと思うとその鉛筆を自分の腕に思いっきり刺したのだ。 たちまち憂の腕からは血が流れ落ちる。 男子「・・・へ」 あまりの事に呆然とする少年。 そして大泣きする憂。 憂「うわーーーーーーーん!!」 憂の声を聞きたちまち教室から沢山の人が出てくる。 先生「どうしたんですか!!」 憂「うえーーーーん!!この子が私にいきなり鉛筆刺してきたー!!」 男子「え・・・ちがう」 当然違うと反論する男子。 しかし状況から見れば憂が断然有利であった。 先生「じゃあ誰がやったの!!」 男子「こいつが勝手に・・・」 先生「自分で刺すなんて馬鹿なことするわけ無いじゃない!!こっちきなさい!!」 憂「ううう・・・ヒッく(良かったねお姉ちゃん・・・)」ニャッ その後、男子を学校で見ることは無かった。 ・・・ まってなさい梓ちゃん・・・ 潰してあげるね・・・ そしてまた夜は更けていく。 その後も憂の梓に対する執拗な嫌がらせは続いた。 結局お金を払っても次々と治療費を請求してくる。 憂は狡猾にも証拠を残すことなくほかにも嫌がらせを続ける。 学校でもその手を休めることは無い。 あらぬ梓の噂を憂が流しているみたいである。 女子高生は噂は大好きなもので直ぐに広まり同級生の冷ややかな視線が梓に突き刺さる。 先生にも呼び出されることがあった。 何でも梓が援助交際をしているという垂れ込みがあったのだ。 どうせまた憂の仕業であろう。 流石に証拠も無く何の罰も受けなかったが、 火のないところに煙はたたないというところだろうか。 教師達の梓を見る目は変わり問題児として見られることになった。 もう梓は精神的にも肉体的にもボロボロであった。 もう私の居場所なんか・・・ このままずっと眠っていたいな・・・ はは・・・ もうやだ・・・ 誰かたすけてよぉ・・・ 「梓!!」 「おい梓!!」 澪「おいどうかしたのか?」 梓「へ?」 ここは軽音部の部室。部活の真っ最中である。 今声をかけたのは同じ部の先輩である3年生の澪だ。 今の軽音部には梓を含めて4人しかいない。 澪、紬、そして部長の律である。 梓「・・・」 紬「悩みがあるの?梓ちゃん?」 澪「最近、梓元気ないなと思ってな、演奏のほうもな」 梓「・・・ダイエットです」 澪「へ?」 梓「最近ダイエットしているんです。何でもないですよ。気にしないで下さい。」 梓は嘘をついた。 こんなに一生懸命練習している先輩達に余計な心配をかけたくなかったからだ。 律「おいおい梓!しっかりしてくれよ!!学祭もすぐなんだしさー!!」 梓「す、すみません」 普段はあまり練習しない律も張り切っている。 やはり最後の学園祭だからであろうか。 紬「ふふ、梓ちゃん、りっちゃんが張り切っているのは梓ちゃんの為でもあるのよ」 梓「へ?」 紬「来年私達が卒業したら梓ちゃん一人になっちゃうでしょう」 澪「で、次は最後のライブなわけだ」 紬「来年もしかしたら私達のライブを見て軽音部に入る人もいるかもしれない」 澪「律のやつも人一倍張り切ってるってわけだ、部長らしく梓に何か残していきたいんだろう」 紬「梓ちゃんの為に絶対成功、いや大成功するんだってね」フフフ 律「こらー!!お前ら何話してんだー!!」 紬「あらあらいけない」 澪「そういうわけだ、頑張ろうな梓」 梓「・・・」 言えるわけないじゃないですか・・・ そんな顔されて 先輩達に余計な迷惑を・・・ 言えるわけ・・・・ 梓「うえ~ん」ボロボロ 律「お、おい梓どうした」 梓「ごめんざさい、なんでもないです」グスッ 梓「なんでも・・・うう」グスグス その後も梓はしばらく泣き止むことができなかった。 今まで一人で苦しんでいて我慢してきた。 それが律達の優しさに触れ感情を抑えることが出来なくなったんだろう。 澪「・・・梓」 紬「何か・・・あったのね」 律「なあ・・・話を聞かせてくれないか・・・」 梓「べ、別に・・・」 律「・・・」 澪「・・・」 紬「・・・」 やっぱり、隠せないですね・・・ 梓「・・・じつは」 ・・・ 律「あんの野郎!!」 澪「梓の弱みにつけこんで」 紬「黙っていられないわ」 軽音部の4人は梓の話を全て聞いた後、部活を中断し平沢家に向かっていた。 梓「先輩方、気持ちは嬉しいんですが迷惑をかける訳にはいきません」 律「何言ってんだ!そうやって一人で悩んでてもこっちが迷惑なんだ」 澪「これはもう軽音部の問題なんだ」 紬「それにかわいい後輩を散々な目にあわせて貰ったお礼をしなくちゃ気がすまないわ」 梓「先輩・・・」 梓はもう何もいうことは無かった。 結果がどうであれこの先輩達と共に軽音部で入れたことを誇りに思い感謝の気持ちで一杯であった。 そして4人は平沢家の玄関前に到着した。 律「押すぞ」 みんな無言で頷く。 律は大きく深呼吸してから力強くインターホンを押した。 ピンポーン 高い音が家の中に響き渡った。 ─のはずだが家の中からは何の反応も無い。 澪「おかしいな?」 紬「留守みたいね」 律「なんでぇー拍子抜けかい」 でも憂は帰宅部だし、もうとっくに帰っているはず。 梓「もしかしたら私の家かも・・・」 紬「んーどうするここで待つ?それとも行ってみる?」 律「ん~」 これからどうしようかと考えていた矢先。 ある人物が声をかけてきた。 とみ「何かこの家に用ですかい?」 一人の老婆が見かねて話しかけてきたみたいである。 梓「あ・・あの私達、桜ヶ丘高校のものですがここの平沢憂さんに用がありまして」 とみ「ああ、平沢さん家の憂ちゃんねえ」 紬「失礼ですがあなたは」 とみ「わたしは隣に住んでる一文字っていいますわ」 紬「そうでしたか、こんにちは、琴吹と申します」 とみ「おやおや、ご丁寧に、せっかくだけど憂ちゃんは当分帰ってこないと思うよ」 梓「え?」 動揺する4人。 いったい憂に何があったというのだろうか。 とみ「なんでも唯ちゃんが警察に捕まったとかねえ」 梓「ええ!?」 一体何が起こったのだろうか。 この時まで梓はこの悲劇が意外な形で結末を迎えるとは微塵も予想してはいなかった。 ―梓達が平沢家に着く数時間前 唯が警察に捕まった原因は唯を野放しにしたことにある。 憂は梓を陥れるためにあれこれと策を練り唯の面倒を疎かにしていた。 唯は憂に構ってもらえないのが不満になっていたのだろう。 新たな刺激を求め新しい場所へと一人で遊びに行ってしまった。 唯の向かった先は駅である。 ここ桜ヶ丘駅は小さい駅だがそれなりに人はいた。 そこへ奇妙な池沼が登場し、なるべく皆は目を合わせないようにしている。 唯「あう~♪(^p^)/」 唯はいつもと違う新しい環境に大興奮である。 唯「う?」 その時、唯はあるものを発見した。 唯の視線の先にはアイスを食べている幼稚園ぐらいの子供がいた。 一人で居るらしくどうやら母親がトイレにいっているのを待っているらしい。 アイスに目の無い池沼はまっすぐそっちに向かう。 唯「ゆいのあいす~(^p^)/」 男の子「え?」 唯「あいす~よこす!ゆいの!(^p^)/」 男の子「やめてよ!お姉ちゃん!僕のアイスだよ」 唯「だめー!ゆいの!(`p´)」 ドン!! 事件は起こった。 あろうことか、この池沼は男の子からアイスを取り上げようと力いっぱい押し倒したのだ。 運悪く階段の近くに居た男の子は唯の手加減を知らない力で押され駅の階段から転落してしまう。 「キャー!!」 「大変だ!!」 「早く助けろ!!」 一部始終を見ていた駅の利用者達は大騒ぎを始める。 しかし唯は呑気に奪ったアイスを美味しそうに舐めている。 唯「あいす~べろべろ~(^p^)」 「おい!!その池沼を捕まえろ!!」 「怖いよ~」 「大人しくしろ!!こっちこい!!この池沼!!」 唯「う゛ーう゛ー!!(`p´)」 あろうことか池沼は自分の仕出かした事も分からず捕まえようとする人たちに必死に抵抗する。 「てめぇ!!何するんだ!!」 ボコッ!! 唯「あう!!("p")」 男の持っていたバックで思いっきり頭をぶん殴られる唯。 「いまだ!!取り押さえろ!!」 次々に大人の男性が唯にのしかかる。 流石の池沼さんもこれには身動きがとれないでいた。 唯「ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!("p")」 「うるせーぞ池沼!!」 「静かにしやがれ!!」 ボコッ!!バキッ!!ズドッ!! もはや抵抗できない唯だが騒ぐのを止めないのでなおも殴られる。 唯「ゆいわるくない!!("p")」 唯「うーい!!たちゅけてー!!うーい!!("p")」 そのうち駅員さんが到着した。 そして池沼はとうとう御用となった・・・。 憂「・・・え!?お姉ちゃんが!!」 自宅に着いた憂が受け取った知らせは唯が起こした先ほどの事件のことについてである。 大急ぎで署に向かう憂。 憂「すみません!姉は障がい者で悪い事の区別ができないんです」 警察「ん~ですがねぇ・・・」 憂「どうか穏便に・・・」 警察「しかしですねぇ、これは傷害事件ですよ」 憂「そこをなんとか」 警察「一命は取り留めたものの、相手は重症で向こうの親御さんもカンカンです」 憂「でも、姉は障がい者で・・・」 警察「それに障がい者といえ、自分より弱い幼稚園児に手をだしちゃ駄目でしょ」 今までの悪事は目を瞑られてきたが流石に今回は厳しそうである。 というのも事件の目撃者も大勢おり、駅内のビデオに唯の犯行の様子がばっちり撮られている。 唯が100%悪い事は誰の目から見ても明らかである。 警察「それに近隣住民やお店とかからもたくさん苦情がきましてなぁ」 憂「え・・・」 警察「怖い、逮捕しろとか、施設送りにしろ・・おっと失礼、とにかく今までいろいろ迷惑を被ってきたんだと」 憂「・・・」 警察「まあ、そういうわけで、こちらとしても只で帰すわけにはいかんのです」 警察「それにあなたはまだ高校生でしょ」 警察「ちゃんとした唯さんの保護者をよんで話をしますわ、ご両親をね」 憂「そんな・・・そんな、何であいつらが・・・」 警察「それまでお姉さんは預からせてもらいます、では」 今までの憂達の悪事のつけが回ってきたのだ。 今まで好き勝手され不満のたまっていた人たちは今回の事件を機に苦情をまとめて送ってきたのだ。 もはや憂と唯に味方する人たちは誰もいなくなった。 憂「なんで!!なんでよぉおおおおお!!」 憂「お姉ちゃんの面倒を見てきたのは私よおおおお!!」 憂「いまさら何で!何であいつらが!!」 憂「うう・・・わあああああああーーー!!」 憂はただ絶望に打ちひしがれて叫ぶのであった。 ―数日後、平沢家 私はあの後からずっと学校を休んでいる。 あの事件以来、家に石を投げられたり、いたずら電話がしょっちゅうかかってくるようになった。 面倒なので家の雨戸を全て閉じ電話線は抜いてある。 時々誰かが尋ねてくるみたいだがお姉ちゃんのはずが無いし関係ない。 あれ以来、何も口にしていない。 しばらくしてあいつらが来た。 家の鍵を開けて入ったのだからきっとあいつらだろう。 今更何しに来たんだろう。 今まで私達をほおって置いて遊んでいて、 今更親の顔なんてしても腹が立つだけだよ。 平沢父「・・・憂」 やっぱりこいつか。 もう顔も見たくないのに。 憂「・・・」 平沢父「怒っているのか俺たちのこと」 憂「・・・」 平沢父「まあ当然か・・・」 沈黙が続く。 平沢父「話がある」 平沢父「・・・母さんとは別れた」 憂「・・・そう」 平沢父「唯が障害を持っていることが判明してから俺たちはどこかおかしくなった」 憂「」ピクッ 平沢父「母さんは今回の件で踏ん切りがついたらしい」 憂「やめてよ、お姉ちゃんは悪くないよ!!」 平沢父「唯は施設に入れる予定だ」 憂「え・・・」 平沢父「もう手続きは済ませてある」 憂「うそよ・・・うそよ!!」 平沢父「お前一人だけに苦労をかけてすまなかった」 憂「・・・やめてよ」 平沢父「なあ、ここを引っ越して俺と一緒に暮らさないか、二人で」 憂「・・・どこよ」 平沢父「憂?」 憂「お姉ちゃんはどこよ!!」 平沢父「落ち着け!!唯はもういないんだ!!」 憂「」 お姉ちゃんはもういない お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん 平沢父「新しい環境でまた一からやり直そう、な?」 憂「・・・はは」 お姉ちゃんを守れなかった。 ふと腕を眺める。 そこには小さな傷跡がある。 お姉ちゃんを守ろうとして小学校にはじめてつけた傷。 こんなもの ザクッ!! 平沢父「う・・・憂?」 憂は突然立ち上がりリビングにあるハサミを手に取り自分の腕に突き刺した。 何度も何度も狂ったように。 平沢父「憂!!やめなさい」 憂「・・・・・ははははははっははははっはははははははははははははははははははは!!!」 平沢父「・・・憂ィいい!!!」 パーン!! 強烈な平手打ちが憂に炸裂する。 憂「・・・」 平沢父「・・・すまん・・憂?」 憂「・・・・おとーやん、おねーやんどこー(^p^)」 平沢父「憂!!・・ういぃ~・・・しっかりしろオ!!」 憂「あうー、いじめないでー("p")」 何ということだ・・・ 憂の精神は完全に壊れてしまった。 憂「あうー、いじめないでー、おねーやんをいじめないでー("p")」 平沢父「ごめんな・・・憂・・・ごめんなあ・・・」ボロボロ 平沢家には壊れてしまった憂と、 只ひたすらに泣いて謝る父親の姿があった。 ―あれから約一年後・・・ こんにちは。梓です。 あの事件の後、唯先輩は予定通り強制的に施設に入れられたそうです。 その後については知りませんが、風の噂では入れられた施設で虐待され問題になったそうな・・・。 今では色々な施設を転々としているそうです。 あくまで噂ですので真偽は定かではありませんが・・・。 憂についてはあの後、直ぐに転校の手続きがとられました。 何でも今はどこかの精神病院に入院しているみたいです。 そこでも「お姉ちゃんはどこ」と毎日騒いでいるみたいです。 今はあの平沢家には誰も住んでおらず空き家となっています。 あの時の騒動は嘘のように忘れられ静かになりました。 あの事件の数日後。 私のもとにある一人の男性が訪ねてきました。 ―あの事件の後の回想 平沢父「君が中野梓さんだね」 平沢父「すまなかった!!娘達が迷惑をかけてしまって!!」 平沢父「君の先輩達から憂が君にしてきたこと・・・話は聞いたんだ」 平沢父「本当にすまない」 平沢父「お金はかえすよ」 平沢父「本当は憂に直接謝らせたかったんだが」 平沢父「あいつは、もうそんな状態じゃなくてね・・・」 平沢父「・・・俺がちゃんとしていれば、あいつは姉思いの良い妹になって・・・」 平沢父「・・・」 ―中学校時代の回想 平沢父「憂!高校合格おめでとう」 憂「・・・別に」 平沢父「凄いじゃないか!桜ヶ丘高校っていったら名門だぞ!!」 憂「そう」 平沢父「なあ、唯のことなんだが、お前が高校に入ったら施設に」 憂「ふざけないで!!」 平沢父「で、でも、大変だろう」 憂「・・・せっかく受かったのも意味がない」 平沢父「・・・憂?」 憂「お姉ちゃんは私と一緒に歩くだけで馬鹿にされるんだ!!」 憂「そんな馬鹿にする奴がいなくなるぐらいに私が立派になるんだ!」 憂「そのために誰にでも自慢できる高校にいって、大学にいって・・・」 憂「でもお姉ちゃんが私のそばにいなくちゃ意味無いよ・・・」 平沢父「憂・・・」 ―・・・ 平沢父「・・・俺は逃げていたんだな、唯からも憂からも」 平沢父「全く、親失格だよ・・・」 平沢父「・・・あいつは俺よりよっぽど親らしかったのかもな」 平沢父「あいつはただ唯を守ることに一生懸命だったんだ・・・」 平沢父「だが、憂が君や周りにしたことは赦されるべきではない」 平沢父「・・・すまない」 平沢父「赦してくれなんて今更いえないが・・・」 平沢父「いや、俺が言える立場では無いな・・・」 平沢父「すまない・・・」 その後、彼はただ私に謝るばかりであった。 ―回想終わり ・・・いくら因果応報とはいえ、 今の平沢家姉妹の境遇には哀れみを感じずにはいられません。 ・・・いや、忘れよう。 私が憂に何かできたことなど無い。 ・・・私? そうそう!! 私も、もう高校3年生。 高校生最後の年で部活に勉強に大忙しです。 そうそう、私、軽音部の部長になったんですよ。 一年前のライブは大成功でした。 あの時の歓声そして先輩達の笑顔、涙・・・忘れません。 新学期になって新一年生もいっぱい入部してきました。 今ではジャズ研にも負けないくらいの大所帯です。 新入生のみんなは口々に去年のライブ最高でしたって言うんですよ。 次の学園祭でも大大大成功にむけてやってやるです!! そんな今日も練習を終えて家に帰る途中です。 ・・・そういえばこの道からあの時の『悲劇』が始まったんだなあ・・・。 っていけない、忘れようといったのに。 しかし、あの時は吃驚しました。 振り返ったら唯先輩が真後ろにいるんだもん。 そうそう ここで こうやって振り向いたときに・・・ クルッ 唯「(^p^)」 憂「(^p^)」 梓「・・・・え・・・・・」 END 池沼唯のSS に戻る (2010.10.08--2010.10.11) counter today - yesterday - total -
https://w.atwiki.jp/dunpoo/pages/340.html
■野党06Ⅱ④から 1223 民主、社民が富山で共闘候補 国民新党にも支援要請へ [朝日] 1222 民主・鳩山幹事長、共産との共闘見直しに言及 [朝日] 1024 民主、周辺事態認定を白紙から議論 認定不要論に反発も [朝日] 0928 教育基本法改正案など反対方針、野党が一致 [読売] 0924 教育基本法改正・テロ特措法延長は阻止へ 民主小沢代表 [朝日] 0923 「小沢民主党はバラマキ」自民検証チームが痛烈批判 [読売] 0913 小沢氏、「改憲の中身問いたい」 安倍氏の政見批判 [朝日] 0912 小沢代表、無投票再選 参院選にらみ結束重視の人事へ [朝日] 0911 民主、格差是正を前面に 「小沢ビジョン」として発表 [朝日] 0904 共産党の志位委員長訪韓 融和深め、志位外交アピール [朝日] 0903 「参院選は民主党と組む」 国民新党・亀井静香氏が明言 [朝日] 0826 理念対決、小沢氏仕掛け 安倍氏の立候補に対抗し本出版 [朝日] 0825 民主・愛知で2人目擁立 参院選3人区、消極論押し切る [朝日] 0823 参院選1人区で候補者調整へ 民主・社民が一致 [朝日] 0810 「自民の基盤に切り込め」 民主が都道府県連に通達 [朝日] 0806 「安倍政権では改憲難しい」 民主・枝野憲法調査会長 [朝日] 0701 民主の候補者募集、1200人が応募 [朝日] 0628 規制改革会議・宮内議長は「ミヤマンダー」 社民が批判 [朝日] 0616 共産・社民、今国会での民主党対応を批判 [読売] 0620 民主秘書の給与肩代わり問題 松井議員も162万円受領 [朝日] 0608 教育基本法改正案などの廃案要求で一致、野党幹事長 [読売] 0603 民主の党員・サポーター、1年で倍増し24万5千人 [朝日] ■野党06Ⅰから続く 1223 民主、社民が富山で共闘候補 国民新党にも支援要請へ [朝日] 2006年12月23日19時11分 民主党の小沢代表と社民党の又市征治幹事長は23日、富山市内で記者会見し、来年夏の参院選で富山選挙区に共闘候補として新顔の医師、森田高氏(39)を擁立すると発表した。両党は近く国民新党に支援を要請する。同党が受け入れれば、改選数1の「1人区」で野党3党が協力態勢を取る初めてのケースになる。 森田氏は無所属で立候補し民主、社民両党が推薦する。民主党は29ある1人区のうち17選挙区で候補を公認・内定。同党は社民党と国民新党の地盤がある地域では共闘関係を築きたい考えで、又市氏と国民新党の綿貫代表の地元である富山をはじめ、秋田や大分など数選挙区で調整を進める。 小沢氏は民主党県連の会合で「非自公が争っても自公を利するだけだ」と野党共闘の意義を強調。又市氏も会見で「国会の戦いでの食い違いと、参院選で与野党逆転を果たしていくことは峻別(しゅんべつ)しないといけない」と述べ、選挙協力は進めていく考えを示した。 URL http //www.asahi.com/politics/update/1223/004.html 1222 民主・鳩山幹事長、共産との共闘見直しに言及 [朝日] 2006年12月22日19時29分 民主党の鳩山由紀夫幹事長は22日、党本部での記者会見で「共産党は臨時国会が終わった後、民主党批判を厳しくしている。いま一度、ゼロベースで考えたい」と述べ、来年の通常国会に向け共産党との共闘のあり方を再考する考えを示した。 共産党の志位委員長は、臨時国会の終盤で安倍首相の問責決議案の提出に民主党が同調しなかったことなどを念頭に「自民党との悪政の共同執行者という姿が浮き彫りになった」と強く批判した。 鳩山氏は、国会での共闘を来年の参院選の選挙協力につなげる狙いから、社民党と国民新党とは選挙協力を協議している。ただ、民主、共産両党は双方とも選挙協力に否定的。政策の違いが目立つ共産党とは国会での共闘にも民主党内で批判が根強くある。 URL http //www.asahi.com/politics/update/1222/005.html 1024 民主、周辺事態認定を白紙から議論 認定不要論に反発も [朝日] 2006年10月24日21時18分 民主党は24日の外務防衛部門会議で、北朝鮮核実験や国連安保理の制裁決議への対応を抜本的に検討し始めた。小沢代表らが「(現状は)周辺事態にあたらない」と認定したことに、党内で異論が出ていることに加え、政府が周辺事態と認定する展開も予想されることから、党の見解をまとめておく狙いもある。ただ、寄り合い所帯だけに党内の意見は多様で、集約は難航しそうだ。 小沢氏と菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長は17日、「周辺事態とは言えない」と結論づけた。小沢氏は18日、「日本の有事に関する事態を想定した法律を国際社会の一般的な(制裁)行為に適用するのは無理がある」と主張。今回の国連決議と周辺事態法が想定する有事は明確に区別すべきだとの考えを示した。 こうした党の見解は通常、部門会議や「次の内閣」(NC)会議で議論を積み重ねて結論を得るため、党内から「3人で政策を決める権限はない」と不満が出ていた。 また、衆院補選での苦戦も論議を始めるきっかけとなった。鳩山氏は22日の記者会見で「党の姿がなかなか見えにくかった」と述べ、核問題で党の立場を明確にしなかったことを敗因の一つに挙げた。周辺事態認定や特措法に積極的な議員には「中道右派層の支持が自民党に流れている」との懸念も強い。 この日の部門会議では踏み込んだ論議にはならなかったが、周辺事態の認定だけをみても立場は分かれている。 前原誠司前代表は24日、朝日新聞の取材に「また核実験するかもしれないし、逆に6者協議に応じるかもしれない。周辺事態の6類型に当てはまるし、認定しうると思うが、今すぐ認定する必要はない」と語った。現段階で「あたらない」と決めてはいけない、という立場だ。 前原氏は、国連決議に基づく船舶検査に関連し、特措法の制定も検討すべきだとも主張している。現行の船舶検査法には、船長の同意を得るなど強制性がないなどの問題点があり、特措法なら周辺事態の認定がなくても船舶検査が可能になるとしている。前ネクスト防衛庁長官の長島昭久氏も同様の意見だ。 一方、中道左派系でつくる「リベラルの会」の議員は部門会議の後、「外交の余地が残るなかで、周辺事態と認定すべきではない」と述べた。 URL http //www.asahi.com/politics/update/1024/011.html 0928 教育基本法改正案など反対方針、野党が一致 [読売] 民主、共産、社民、国民新の野党4党は28日午前、国会内で国会対策委員長会談を行い、今国会で、教育基本法改正案、「共謀罪」を創設する組織犯罪処罰法改正案、憲法改正の手続きを定める国民投票法案に反対していく方針で一致した。 社民党は党首会談や幹事長会談開催を提案した。 (2006年9月28日12時56分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060928ia03.htm 0924 教育基本法改正・テロ特措法延長は阻止へ 民主小沢代表 [朝日] 2006年09月24日21時20分 民主党の小沢代表は24日のテレビ朝日の報道番組で、26日召集の臨時国会で審議する法案の中で国民投票法案と防衛庁の省昇格法案は与党側の修正次第では審議に応じる姿勢を示した。しかし、教育基本法改正案、テロ対策特別措置法の延長、「共謀罪」創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の3法案は「いただけない」と述べ、あくまで反対する考えを示した。 ただ、民主党は国民投票法案では憲法改正に反対の社民党も入れた合意形成を目指し、防衛省昇格には小沢氏自身が「安全保障政策の論議もなしに突然法案を出してくるのは無責任だ」と批判している。このため、両法案とも与党側との合意は簡単ではなさそうだ。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0924/004.html 0923 「小沢民主党はバラマキ」自民検証チームが痛烈批判 [読売] 自民党政調会役員による「民主党政策検証チーム」は22日の会合で、民主党の政策を批判した第1次報告書をまとめた。 月内にも安倍総裁(官房長官)に提出する。臨時国会での安倍氏と民主党の小沢代表との党首討論の準備などで、基礎資料として活用する方針だ。 報告書は、民主党の政権公約や同党議員の国会質疑、小沢氏の政権構想や著書を比較し、矛盾点や実現性などを分析した。「手の内を見せないために」(幹部)内容は非公表だが、出席者によると、小沢氏が農業政策として打ち出した所得補償制度創設案について「バラマキ政策だ」「食料自給率100%を達成する財源や農地をどう確保するのか」と疑問を投げかけているという。また、基礎年金を消費税で賄うとする主張についても「17~18兆円必要なのに小沢氏が消費税率は5%のままだと言うのは無責任だ」と指摘している。 中川政調会長は、「小沢氏の政策は、第一に従来の主張と首尾一貫していない。第二に人気取りのバラマキ的な政策が多く、実現性が疑問だ。第三に数値的な裏付け、全体の整合性がない」と痛烈に批判した。 (2006年9月23日1時22分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060922i216.htm 0913 小沢氏、「改憲の中身問いたい」 安倍氏の政見批判 [朝日] 2006年09月13日21時27分 続投が決まった民主党の小沢代表は13日、朝日新聞などのインタビューに答え、自民党総裁選で優位を固めた安倍官房長官が打ち出した憲法改正について「中身がわからない。たくさん聞きたいことはある」と述べ、安倍政権の誕生を念頭に臨時国会の党首討論で論戦を挑む姿勢を示した。また、安倍氏が経済成長を前提に財政再建を目指している点について「成長を掲げる時代ではない」などと批判した。 小沢氏は、憲法改正について「政策は、国民の関心の強いものにどう応えるかだ」と述べ、「小沢ビジョン」で前面に掲げた年金・福祉などの社会保障政策を優先すべきだとした。そのうえで「(改憲を)選挙のスローガンにしても、国民の大多数がそう思わないと意味がない」と、来年夏の参院選の争点にはしない考えを示した。 安倍氏が財政再建策で経済成長による税収増を盛り込んでいることに対しては「日本はもう経済成長を優先する状況ではない。内需を基本にした成熟した社会であるべきだ。財政改革は行政が無駄をやめることで成りたつ」と批判した。 小沢氏が以前は所得税・住民税の半減や消費税率10%に引き上げると主張していたものの、今回のビジョンでは消費税を福祉目的税化して税率を据え置くとしたことについては「社会保障費が足りなくなれば消費税でやる以外ないし、直接税と間接税のバランスを取ることは必要だ」と述べ、将来的な見直しを示唆したうえで「徹底的な歳出削減をやるのが前提だ」と説明した。 また、以前は終身雇用の負の面を強調していた小沢氏が、「日本型セーフティーネットの構築」を掲げ、自民党から「矛盾している」との批判を招いていることには「規制緩和はもっとやるべきだが、(規制の少ない)米国は格差社会になっており、(日本は)平等を旨としたシステムをもう一度きちんとしないといけない。自由と平等の程度の問題だ」と反論。自民党がこうした小沢氏の政策を検証するチームを立ち上げたことに対し、「与党なんだから、自分のことを一生懸命やればいい」と述べた。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0913/005.html 0912 小沢代表、無投票再選 参院選にらみ結束重視の人事へ [朝日] 2006年09月12日20時30分 民主党代表選が12日告示され、小沢代表だけが立候補を届け出て、無投票再選が決まった。25日の臨時党大会で正式に選出される。任期は2年。新執行部は菅直人代表代行と鳩山由紀夫幹事長は留任が濃厚だが、小沢氏は引き続き側近を重用する人事はせず、過去に一線を画してきた中堅・若手の議員も取り込んで、来年の参院選に向けた結束を重視する考えだ。 今後は格差是正などを盛り込んだ「小沢ビジョン」をもとに参院選で掲げる党の基本政策をまとめる一方、遅れている候補者擁立を加速させる。 再選が決まった小沢氏は党本部で記者会見し、「何と言っても参院選。国民の支持を得て過半数を野党サイドで獲得するという大きな目標に全力で頑張りたい」と強調。「(代表就任後)菅代表代行、鳩山幹事長、その他の方々に力添えをたまわった。挙党一致で国民の理解を得ていく態勢をつくりたい」と述べ、人事で幹部刷新は行わない考えを示した。 小沢氏は03年の民由合併以来、旧自由党時代の「小沢チルドレン」のほかに若手グループ「一新会」を育て、選挙などで結束を高めていた。しかし、代表就任後は距離を置き、側近重用の印象を薄めている。 前回の代表選では25人の推薦人名簿の半数近くを小沢氏に近い議員で固めたが、今回の名簿は中堅・若手が中心で、小沢氏に批判的だった仙谷由人前政調会長を含め党内各グループからまんべんなく集めた。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0912/006.html 0911 民主、格差是正を前面に 「小沢ビジョン」として発表 [朝日] 2006年09月11日17時31分 民主党の小沢代表が代表選に向けてまとめた基本理念と基本政策が明らかになった。「扇動政治」を排して「常識の政治」にするとうたい、義務教育の拡大や社会保障の充実、農家への所得補償など格差社会の是正を前面に出す一方、安全保障面では自衛権の行使を専守防衛に限定するとしている。外交では「先の戦争に対する反省」を踏まえると明示し、国家間の「共生」を掲げた。「安倍政権」誕生を強く意識した内容で、穏健な保守層の取り込みを狙うものだ。 小沢氏は11日夕、これを「小沢ビジョン」として発表する。代表選は12日告示で、立候補は小沢氏だけとみられており、25日の臨時党大会で再選されるのは確実だ。小沢ビジョンをたたき台に、民主党としての基本政策を年内にまとめる。 基本理念は「常識の政治」の実現を掲げた。小泉政権を念頭に「極端で偏向した『扇動政治』が台頭」していると批判し、「安定感のある信頼される『常識の政治』」に変えて「普通の国」を実現するとしている。 新しい国づくりの理念に「共生」を掲げ、雇用、社会保障、食料の3分野で「日本型セーフティーネット」の構築を主張。外交では「米国と対等な真の同盟関係を築き、中国、韓国をはじめアジア諸国との信頼関係を醸成する」とした。 基本政策では教育改革を冒頭に据えた。義務教育を高校まで引き上げると同時に就学年齢を5歳に引き下げ、財政面で国が責任を持つ一方、現行の教育委員会を廃止して地方自治体が運営する制度に改めるなど地方の自主性を重視する。 社会保障では子育てに対する「子ども手当」や親と同居している世帯への「親手当」を創設。子育て後の女性や定年退職者の再雇用制度の整備を盛った。社会保障費の財源は消費税の福祉目的税化で全額まかなう。基本政策には盛り込まない予定だが、税率は5%を維持できるとの考えだ。 ただ財政再建については、特殊法人などの廃止・民営化による財政支出の大幅削減と持続的な経済成長による税収増を主張しているが、具体的な道筋は示されていない。 農業政策では「国民生活に最低限必要なカロリーを国内ですべて生産する食料自給体制を確立する」と強調。国内の生産費と市場価格の差額を各農家に支払う「個別(戸別)所得補償制度」を設けるとしたのが大きな特徴だ。 一方、安全保障面では「専守防衛に限定する」と明言。「自衛権は、憲法9条にのっとって、個別的であれ集団的であれ、我が国が急迫不正の侵害を受けた場合に限って行使する。それ以外では武力を行使しない」とし、国連傘下での活動を除いて自衛隊が海外で米軍と共同行動を取ることは退けている。 ■小沢ビジョン骨子 ○5歳から高校まで義務教育拡大 ○親と同居する世帯に「親手当」創設 ○消費税の福祉目的化 ○官・民の管理職は自由競争、非管理職は終身雇用を原則に ○基幹農産物には「個別(戸別)所得補償制度」を導入 ○補助金は自主財源として一括交付。市町村を300程度の基礎自治体に集約 ○自衛権行使は専守防衛に限定 URL http //www.asahi.com/politics/update/0911/006.html 0904 共産党の志位委員長訪韓 融和深め、志位外交アピール [朝日] 2006年09月04日18時53分 共産党の志位委員長が5日から韓国を訪れる。同党党首が訪韓するのは初めてで、国会議長や主要5党代表との会談のほか、民間交流も予定している。韓国は法律で共産主義政党の設立が認められておらず、一方、共産党も軍事政権時代の韓国を批判したこともあった。共産党との関係が良好な盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が続いている間にいっそう距離を近づけるとともに、不破哲三前議長から継承した「志位外交」の本格スタートを印象づける狙いがある。 直接の目的はアジアの三十数カ国の政党が集まる第4回アジア政党国際会議(7~10日)への出席。これまでも党所属の国会議員が参加してきたが、今回はソウル開催となり同会議組織委員長の金明子・ウリ党(与党)国会議員が3月、共産党本部を訪れて志位委員長あての招待状を届けた。 共産党はかつて「(朝鮮半島の)一方の政権だけを朝鮮全体の代表とは扱えない」として、韓国を「南朝鮮」と呼んだ時期がある。「軍事独裁政権」と批判し、84年の全斗煥大統領の訪日に反対したこともある。 一方、北朝鮮とは60年代後半まで友好関係が続いていた。しかし、次第に金日成主席への個人崇拝に反対するなど距離を置き、83年にミャンマー(ビルマ)訪問中の全大統領を襲った爆弾テロ(ラングーン事件)を、ミャンマー政府が北朝鮮の犯行と断定して以後、朝鮮労働党との関係を断絶した。 その後、東西冷戦構造が崩壊。当時の不破委員長はアジア重視を掲げ、軍事政権ではなくなった韓国と接近した。97年には、南朝鮮と呼ぶことが「北朝鮮寄り」と受け取られかねないことなどから、呼称を「韓国」に改めた。 韓国側も、03年に来日した盧大統領が、衆参両院議長主催の懇談会の席で志位委員長に「韓国でも、共産党を受け入れる時こそ完全な民主主義になる」と語りかけた。機が熟したなかで、国際的な政党会議をきっかけに志位氏訪韓となった。 共産党と韓国側は、靖国神社問題や歴史認識の問題などで見解が一致する点も少なくない。志位氏は朝日新聞の取材に対し「韓国国民の反共意識は変化し、共産党の党首の訪問にも抵抗、障害は基本的にない」と意欲を示した。 党内では外交を不破氏が担当していたが、1月の党大会で議長を引退した後は志位氏の役割に。志位氏も不破氏を補佐してはいたが、外遊は02年以来で、本格的なバトンタッチとの位置づけだ。不破氏が敷いた柔軟な外交路線を志位氏が一歩進めることで、党内外にアピールする狙いもある。 党としては、機関紙「しんぶん赤旗」のソウル支局を開設したい意向もある。交渉は96年末に始まったが、97年5月に韓国政府から「開設は困難」と返答があり、その後も色よい反応はない。訪韓をきっかけに韓国政府との融和をさらに進め、支局開設につなげたい考えだ。 アジア政党国際会議には、野党から社民党の福島党首も参加する。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0904/004.html 0903 「参院選は民主党と組む」 国民新党・亀井静香氏が明言 [朝日] 2006年09月03日19時02分 国民新党の亀井静香代表代行は3日のテレビ朝日の番組で、来年夏の参院選について「自民党と公明党を過半数割れに持っていく」と語った。そのうえで、民主党の小沢代表との連携について「組みます。次の(参院)選挙で徹底的にやる。その後、(衆院)解散に追い込む」と述べ、自民党との対決姿勢を鮮明にした。 昨年の衆院選広島6区で亀井氏に敗れ、参院選広島選挙区に立候補を予定している民主党の佐藤公治・前衆院議員についても、亀井氏は、民主党から要請があれば国民新党として佐藤氏を推薦する考えを明らかにした。 自民党は、昨年の「郵政選挙」で離党した衆院議員との連携や復党を模索している。だが、亀井氏は参院選後の政局対応について「(民主党と)ほとんど完璧(かんぺき)な形で組むことになる。(自民党から)数が足りなくなったから頼むと言われて応じていたら、これは自殺行為だ。やりません」と明言した。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0903/003.html 0826 理念対決、小沢氏仕掛け 安倍氏の立候補に対抗し本出版 [朝日] 2006年08月26日09時48分 民主党の小沢代表が9月1日、自らの政治理念をまとめた「小沢主義(オザワイズム)」(集英社インターナショナル)を出版する。安倍官房長官が自民党総裁選への立候補を正式に表明する日に発売をぶつけた。安倍氏が政策の柱と位置づける教育問題で愛国心教育の押しつけを否定するなど、「安倍政権」の誕生をにらみ、政治理念での対立軸を明確にしようとの狙いだ。 小沢氏と安倍氏の「政治理念」の比較 小沢氏は「小沢主義」の中で教育について「最終責任を国家に持たせる」とする一方、「親が子どもに何よりも教えなければいけないのは『自立せよ』というメッセージだ」と主張。「愛国心は、幼いころから適切な教育やしつけをしていれば、自然と生まれてくる」として、愛国心教育の強制に否定的な考えを明示した。 一方、安倍氏は近著「美しい国へ」(文春新書)で「教育の再興は国家の任」とし、全国的な学力調査や教員免許の更新制度、学校評価制度の実施など国の関与を強める方向を打ち出した。 小沢氏は国の責任を明確にしつつ、関与を限定的にすべきだとして安倍氏との違いを際立たせている。 外交をめぐっては、小沢氏は現政権を対米追従外交と位置づけ、「思考停止」、「外交不在」と批判。日本が主体的に行動すべきだとしたうえで、自らの7月の訪中を踏まえて「立場、歴史、民族の違いはあっても、みずからの所信を堂々と述べれば、相手はそれなりに尊重してくれるし、理解もしあえる」と記している。日中関係について「政経分離」を求める安倍氏の姿勢を牽制(けんせい)し、正面からの対話の必要性を強調したものだ。 靖国問題について、小沢氏は「靖国神社に参拝するのが自分の信念ならば、それをきちんと説明する方がかえって日本のためになった」と指摘。参拝の事実を公表しない方針を示している安倍氏にも矛先が向かう。 ただ、リーダー像では共通点もある。小沢氏は「自分の目指すものを明確に掲げ、自分で決断し、自分の責任において実行できる人物」、安倍氏は「政治家は実現したい政策と実行力がすべて」と記している。 両氏は10月の衆院補欠選挙で党首として対峙(たいじ)する見通し。小沢氏は政策に先立ち、強いこだわりのある政治理念で論争を仕掛けた形だ。政策の具体論をめぐり、小沢氏は当初、「日本改造計画」の続編を年明けに出版する予定だったが、来年の参院選前に先送りすることを検討。来年6月に新政権が示す最初の「骨太の方針」にぶつける構えだ。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0826/002.html 0825 民主・愛知で2人目擁立 参院選3人区、消極論押し切る [朝日] 2006年08月25日07時52分 民主党は24日、来年の参院選愛知選挙区(改選数3)に、中京女子大学長の谷岡郁子氏(52)を新たに擁立すると発表した。29日の党常任幹事会で正式に決まる。現職の大塚耕平氏(46)に加え、同選挙区で2人目の公認となる。民主党は3人区以上は2議席確保を目標にしているが、「3人区」で2人目の擁立は全国で初めてとなる。 谷岡氏は愛知万博(愛・地球博)検討会議委員長を務め、市民運動と関係が深い。今後も3人区以上の選挙区では、谷岡氏のような無党派層の支持が期待できる候補を中心に人選を進めたい考えだ。 小沢氏は24日、名古屋市で記者会見し、「3人区で2人(擁立)というのは、1人区同様、非常に大事だ」と、力を込めた。愛知県以外の埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府の3人区では、いまだに2人擁立のめどがついておらず、愛知での擁立で弾みをつけたい狙いもある。 そのために、小沢氏は6月、国会内で谷岡氏に直接立候補を打診し、この日には名古屋市を訪れて返事を聞き、記者会見にも同席する丁寧な対応をした。谷岡氏も「全力を尽くす」と小沢氏に立候補の意思を伝えた。 小沢氏は記者会見で「既成の政治を基盤にしてではなく、広く県民、市民の中で活躍をしている。政権を担うのに非常に大事な要素で、シンボリック(象徴的)な方として期待している」と述べ、2人目の当選には、従来の支持層を広げることが必要なことを強調した。 参院愛知選挙区は01年は自民、公明、民主の各党が分け合ったが、04年は自民1人に対し、民主が2人当選した「民主王国」。しかし、昨年の総選挙惨敗を受けて、次回参院選には2人擁立に消極論もあった。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0825/002.html 0823 参院選1人区で候補者調整へ 民主・社民が一致 [朝日] 2006年08月23日11時07分 民主党の鳩山由紀夫幹事長と社民党の又市征治幹事長は23日朝、東京都内で会談し、来年の参院選の1人区で、両党の候補者が重複しないよう調整することで一致した。与党を過半数割れに追い込むため、29カ所の1人区で与党に勝つことを優先する考えだ。 鳩山氏は、10月に衆院の神奈川16区と大阪9区で実施される補欠選挙についても、社民党に協力を打診。又市氏は「党に持ち帰って検討する」と答えた。 又市氏は10日の記者会見で、参院選への対応について「民主党とも、選挙協力はないが、候補者調整みたいなことは起こりうる。無所属の統一候補をそれぞれが推薦し、与党(の議席)を一つでも減らすことはある」と語っていた。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0823/005.html 0810 「自民の基盤に切り込め」 民主が都道府県連に通達 [朝日] 2006年08月10日06時44分 自民党の「牙城(がじょう)」に切り込め――。民主党が各都道府県連にこんな指令を飛ばした。10月の衆院補欠選挙や来年の参院選に向け、自民党の支持母体からも党員・サポーターを獲得し、地方組織を強化するよう求めている。 党本部は7日付の通達で「従来は与党一辺倒と思いがちであった職域団体や諸団体にも積極的に足を運び、意見交換を行い、相互理解を深めることが重要です」と、各都道府県連に呼びかけた。 小沢代表は、参院選の「1人区」行脚で農協や商工会など、「小泉改革」の影響でほころびも見える自民党の支持母体にも出向き、意見交換している。「決して敷居は高くない。出向けば話ぐらいは聞いてくれるはず。そういう日常活動を自民党の半分もやれば勝てる」(党関係者) 通達には、職域支部の設置の方法も明記している。「圧力団体化するのでは」との懸念もあり、政治献金の窓口になれない任意団体とする党規約は維持し、「集票の応援団になってくれればありがたい」(党幹部)と結成の輪を広げる。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0810/001.html 0806 「安倍政権では改憲難しい」 民主・枝野憲法調査会長 [朝日] 2006年08月06日22時51分 民主党の枝野幸男・党憲法調査会長は6日、名古屋市で講演し、憲法改正論議について「どこかの党が主導したら進まない。政権として(改正を)進めたいという安倍晋三(官房長官)さんが自民党総裁になったら、憲法の議論は止まる」と述べた。 枝野氏は安倍氏について「集団的自衛権を現行憲法の解釈で(行使)できると言っている。解釈改憲は最悪だから許さない」と批判した。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0806/006.html 0701 民主の候補者募集、1200人が応募 [朝日] 2006年07月01日06時07分 民主党が5月下旬に始めた国政選挙の候補者公募に対し、締め切りの30日(午後6時現在)までに、約1200人の応募が殺到した。偽メール問題で一時は公募を見合わせたが、安住淳選挙対策委員長は「過去の公募では最多。1カ月かけて審査する予定だったが、2カ月はかかる」と、うれしい悲鳴を上げている。 安住氏によると、男女比や応募者の属性など、細かい内訳ははっきりしていないが、昨年の総選挙で惨敗して空白区が目立つ東京などの都市部の人気が高い。「中には競争率が20倍を超える選挙区もある。人材登録制の公募なので、有効に活用させて頂きたい。一時は危機的な状況だったが、自信を持てる成果だ」と言う。 公募は当初、3月に始める予定だったが、偽メール問題の余波で延期。小沢代表の就任で衆院千葉7区の補選を制し、「人財募集。」といううたい文句で出直した。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0701/001.html 0628 規制改革会議・宮内議長は「ミヤマンダー」 社民が批判 [朝日] 2006年06月28日18時23分 社民党の福島党首は28日の記者会見で、規制改革・民間開放推進会議議長の宮内義彦・オリックス会長について「規制緩和で金もうけをできるようにルールを変えている」と述べ、自派に都合よく選挙区を変える場合に使われる「ゲリマンダー」をもじって「ミヤマンダーだ」と批判した。 また、オリックスの投資事業組合が福井俊彦・日銀総裁の村上ファンドへの拠出金を管理していた点について「一定権益を持つ勝ち組インナーサークルによる共同謀議だ。説明責任を全く尽くしていない」と語り、宮内氏の国会への参考人招致を野党共同で求め続ける考えを示した。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0628/006.html 0616 共産・社民、今国会での民主党対応を批判 [読売] 共産党の志位委員長は16日の議員団総会で、民主党の今国会の対応について、「(教育基本法改正で)自民党とうり二つの対案を出した。審議では、両党が教育勅語を褒めそやし、まるで帝国議会を見ているようだった。国民を犠牲にして政権交代を目指す、2大政党制の本質が明白になった」と批判した。 社民党の福島党首も両院議員総会で、「4野党幹事長会談で『未成立の法案はすべて廃案にする』と確認したのに、民主党案も廃案にしないことに怒りを感じる。自民党内の派閥交代のような政権交代には意味がない」と非難した。 (2006年6月16日18時58分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060616ia22.htm 0620 民主秘書の給与肩代わり問題 松井議員も162万円受領 [朝日] 2006年06月20日14時06分 民主党の松井孝治参院議員(46)=京都選挙区=は20日、京都市内で記者会見し、証券取引法違反容疑で逮捕された村上世彰容疑者(46)が代表を務めていた村上ファンドの関連会社から、私設秘書2人分の給与計153万円を受け取っていたことを明らかにした。松井氏本人もこの会社と1年3カ月間、雇用関係があり、給与として計162万円を受け取っていた。秘書給与の肩代わりは寄付にあたるが、政治資金収支報告書に記載しておらず、松井氏は修正報告するとしている。 松井参院議員と村上ファンド側との主な関係 松井氏は会見で自らの責任について、「反省はしている。参院議員として皆さんの信頼に応えて全力を尽くすことが職責であると考えている」と述べ、議員辞職などをする考えがないことを強調した。 ◇小沢代表「処分する話でない」 民主党の松井孝治参院議員の秘書給与問題で、小沢代表は20日、党幹部に「処分するような話ではない」と述べた。同党としては松井氏の判断に委ね、処分は行わない方向だ。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0620/006.html 0608 教育基本法改正案などの廃案要求で一致、野党幹事長 [読売] 民主、共産、社民、国民新の野党4党の幹事長と書記局長が8日午前、国会内で会談し、教育基本法改正案、憲法改正の手続きを定める国民投票法案など、継続審議となる見通しの法案すべてを廃案とするよう、与党に求めることで一致した。 米国産牛肉の輸入再開阻止に向け、協力していくことも確認した。 会談で、民主党の鳩山幹事長は「教育基本法については時間をかけて議論すべきだ」と述べ、法案審議を前提としない調査会の設置を提案した。しかし、共産、社民両党は「教育基本法は改正すべきではない」(市田共産党書記局長)などと反対した。 (2006年6月8日14時17分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060608ia01.htm 0603 民主の党員・サポーター、1年で倍増し24万5千人 [朝日] 2006年06月03日03時20分 民主党が5月末で定時登録を締め切った党員・サポーターが約24万5000人に達し、前年比でほぼ倍増した。一時は「偽メール問題」の影響で苦戦したが、小沢代表の誕生で急増。都道府県連単位では小沢氏の地元の岩手がトップクラスで、「小沢効果」が表れた形だ。 代表選の投票権を持つ党員・サポーターは、定時登録の形で毎年更新している。党によると、昨年は約13万5000人が登録したという。過去最多は9月の代表選の直前まで募集した02年の約30万人だったが、5月末の数字としては今回が最多。 都道府県別では岩手が大幅に増え、東京、愛知、大阪などの大都市圏に匹敵する約2万人を集めたという。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0602/005.html ■野党06Ⅰから続く
https://w.atwiki.jp/wakan-momomikan/pages/7987.html
│和(薩州)│水部│ http //wakanmomomikan.yu-nagi.com/momomi3/maki-7847.htm があるどん